実は「③愛される愚か者」のほうが、「④仕事はできても嫌な奴」のほうより選ばれるという結果だったのです。
「自分の実績」にばかりこだわる「④仕事はできても嫌な奴」は結果的に、組織としての成功を阻む一方で、人間関係構築力に優れる「③愛される愚か者」タイプは、「組織のコミュニケーションを活性化し、結束を固める役割を果たす」とされているからです。
理想のリーダー像が「教官型」から「共感型」へ
「好感度のある人」がより愛され、成功をおさめやすい。これはとみに最近、顕著な傾向のように感じます。
今、とくにリーダーシップ人材に求められているのが「共感力」。どんなに仕事ができようと、強権的であろうと、「パワハラだ、セクハラだ」と訴えられれば一巻の終わりです。
水平的な情報流通と共感をベースとしたSNS時代には、「人々の気持ちを理解し、寄り添う力」が必要になります。
こうした時代背景もあって、求められるリーダー像が、上から一方的に支配・指示する「教官型」から、社員と同じ目線に立ち、その力を引き出す「共感型」へと変わってきているのです。世界のトップエリートを見ても、その流れは明らかです。
例えば、かつて、アメリカの超一流企業において、一世を風靡していたのは、強権的な「トップダウン型」のスティーブ・ジョブズやジャック・ウェルチ(GE)でした。
しかし今は、「アップルのティム・クック」「マイクロソフトのサチャ・ナデラ」「グーグルのサンダー・ピチャイ」などといった「共感型」のリーダーが台頭、成功を収めているのが、その象徴といえます。
彼らは、ことあるごとに、「ビジネスの支柱には共感力がある」といってはばかりません。一方的に決めつけるのではなく、対話を積み重ねながら、コンセンサスを作り上げていくタイプといわれています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら