仲良し夫婦が「相手にイラついた時」にすること 夫婦の衝突を救う「優しさのあめ玉」という存在
「やさしさのあめ玉」をポケットに
コロナ禍でリモートワークが定番化し、プライベートでも不要不急の外出自粛を余儀なくされたため、夫婦2人きりで家で過ごす時間が増えた。そうすると、これまでは気にも留めていなかった、小さな小さな相手のアラがいちいち目につくようになったりする。些細なことのはずなのに、積み重なるとだんだんとイライラしてきて、果ては大喧嘩に発展することだってあるだろう。
毎日繰り返す生活の中で、喧嘩の火種になりそうなちょっとした出来事があるたび、わたしは本能のままに薪をくべて火力を上げるのではなく、数年前にとある人に言われたおまじないをして、その火種に水をかけてやり過ごすことにしている。
夫と結婚したばかりの頃、近所のなじみの店でとあるご夫婦と知り合った。ある日、その奥さんと、いつもの店に2人きりで飲みに行ったときのこと。酒を飲み始めて3時間弱。気分がよくなってきたところで、ふと「あんな、いつもポケットにやさしさのあめ玉を忍ばせといたらええで」と言われた。
「やさしさのあめ玉って言ってもな、実際のアメちゃんちゃうで。目には見えへん、架空のやつな。まだ結婚したてやと、好き好きぃ! って気持ちしかなくてピンとこぉへんかもしれんけど、結婚生活が長くなるにつれて必要になってくんねん。一緒に生活してて、イラァッ……! ってしたときに、それを舐めるとええよ」
目の前のテーブルには、空になったワインボトルが2本ある。彼女はまるで無脊椎動物のようにくにゃくにゃしていて、わたしも船をこぐのを抑えられずにいた。そんな状態でも、彼女が親切心から言ってくれているのは理解できた。が、〝やさしさのあめ玉〟というやつがよくわからない。
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