仲良し夫婦が「相手にイラついた時」にすること 夫婦の衝突を救う「優しさのあめ玉」という存在
毎朝決まった時間になると、スマホのけたたましいアラームで起こされる。いつも同じメニューの朝ごはんと冷凍食品を駆使した弁当を夫につくってやり、どうせすぐヨレヨレになるとわかっている化粧を雑に施し、慌ただしく身支度を整えて仕事へ向かう。帰宅したら、弁当のおかずの残りと納豆ごはんをかき込み、四角い部屋をまあるく掃いたあとは、ウンウン唸りながら締め切りがとっくに過ぎた原稿と向き合う。
そうこうしているうちに夜ごはんの支度をする時間になり、あっという間に夫が帰ってくる。お腹を満たしたら、お風呂に入って汗を流し、明日のことを考えて眠る。
その合間には、毎週楽しみにしているテレビ番組を観たいし、好きな漫画の新刊が発売されたら読みたいし、推しの深夜ラジオを聴きたい。お風呂上がりにはコンビニで買ったアイスを食べたい。季節が変われば新しい服を買いに行きたい。友達とだって遊びたい。なにもせず、ボーッと過ごす時間もほしい。やらなくちゃいけないこと、やりたいことが溢れている毎日は、とてつもなく目まぐるしいのだ。
わかっている、わかっているけれど
そんな生活の中で、我慢の限界に達するほどのよっぽど大きな出来事で、それもどうしても譲れない部分ではない限り、お互いの価値観がどうのこうのなんて、そんな面倒くさいことやってられっかよ。
わざわざ膝を突き合わせるような話し合いの場を持たないまでも、「ねぇねぇ、靴下が丸まったままカゴに入ってたよ~。ちゃんと戻してから入れてくれるとすっごく助かるな」とやさしく言えたら、それでいい。
わかっている、わかっているけれど。サボればサボるほど、どんどん積み重なっていくやらなくてはいけないこと。それらをなんとかこなすために必要不可欠なやりたいこと。
あっという間に過ぎ去る時間と、変化を感じながらも繰り返す毎日。
簡単には直らない、染みついた生活習慣。
それらが輪になってわたしを取り囲み始めると、やさしさも、気遣いも、かわいげも、すべて宇宙の彼方へ飛んでいく。
いや、前にも言ったよね? 何回同じこと言えばいいん? いい加減にしや! 丸まったまま洗ってきれいにならなかった、くっさいくっさい靴下を履いて仕事に行くの、あんたも嫌やろ? なんかわたし間違ったこと言ってるか? 言ってないよな? ああん!?
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