ネズミは「チーズが好き」は人間の思い込みだ 野生のネズミの本当の好物は「穀物や果実」

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もちろん、人間の場合は容姿やら性格やら学歴やら財力やら趣味やら、さまざまな要素を重視して相手を選ぶと皆口にはするが、条件が最もいい人に全員が群がるというわけでもない。

自分のパートナーだからこそ愛するというケースは決して珍しくないだろう。

自分に恋い焦がれているハンサムな石油王だろうが、性格のいい美人モデルだろうが、それよりもパートナーのほうがいいという人もたくさんいる。

もちろん、そうでない人もいるからこそ修羅場というものが生まれるのであるが。

基本的には誠実な生態を持つプレーリーハタネズミにも浮気をする不届きものがいて、この研究でも、メスを見分けられることによって子育てを手伝うよき夫となる可能性のほかに、メスを見分けることができるからこそ、効率よく浮気ができる可能性も示されており、結論は出ていない。

人間もネズミも種としての本能の傾向はあっても一枚岩ではないようだ。

ちなみに、この浮気をする少数のプレーリーハタネズミから浮気をする遺伝子も発見されている。この浮気遺伝子をほかのプレーリーハタネズミに入れると浮気症になり、浮気症のプレーリーハタネズミに浮気しない遺伝子を入れると浮気をしなくなるらしい。

さらに浮気性なオスは、そうでないオスに比べて空間記憶能力が高いことが知られている。新しい未婚のメスと出会ったのならいいが、既婚のメスに出会って、ほかのオスに攻撃されるのを避けるためにこのような能力があると考えられている。

これだけ聞くと、不実なネズミは記憶力がいいうえに自分の子孫を残しやすいなんて得している気がしてしまうが、不実なネズミはほかのメスを求めてふらふらとうろつくため、逆に自分のパートナーをほかのオスに取られる可能性も高く、結局一夫一妻のほうが確実に自分の子孫を残せるのだ。

浮気性遺伝子を持ったプレーリーハタネズミばかりにならず、彼らが基本的に一夫一妻の動物として生き残っているのは、そういうことなのである。

ネズミはチーズが好きじゃない

ネズミの好物といって思い浮かぶものといえば、チーズである。

猫とネズミを描いた名作アニメ「トムとジェリー」でも、ジェリーはチーズに目がないし、ネズミ捕りには大抵チーズが仕掛けられている。

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