ネズミは「チーズが好き」は人間の思い込みだ 野生のネズミの本当の好物は「穀物や果実」

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ネズミは本当にチーズが好きなのでしょうか? (写真:conceptualmotion/PIXTA)
ネズミが笑うのをご存じですか? ネズミだって、仲間のためなら、自分の大好物を我慢することもあるのです。
人間関係、いじめ・ストレス、恋愛など、あなたの悩みや心配を解決するヒントは、ネズミが教えてくれるかもしれません。新刊『ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる!』より、一部を抜粋しお届けします。

無節操? 賢い? ネズミの異性選び

多くのネズミは異性のタイプに対して無頓着だ。

なぜなら、非力で小さく寿命の短いネズミにとってのたった1つの武器は、増えることだからである。

マウスの場合は、約2カ月で妊娠が可能になる。妊娠すると、ハツカネズミの名前の由来となったように、約20日間の妊娠期間を経て5~12匹程度の子供を産む。まさにネズミ算式に増えてゆくのだ。もちろん、ネズミの天敵は多いので生まれたネズミすべてが次世代に子孫を残せるわけではないが、地球上にいる哺乳類4000種のうち、2000種がネズミの仲間であることを考えると、ネズミの戦略は成功したと見ていいだろう。

ネズミは次世代に残す遺伝子に関して質より量の戦略をとっているため、慎重に相手を選ぶ必要があまりないと言える。いくら質より量とはいっても、メスは妊娠や子育てに相応のリスクを背負うため、気に食わないオスを拒む行動もある程度見られるが、ネズミのオスに関しては一切異性を選ぶ必要がないと言える。

私たち人間は、パートナーとなる相手を選ぶことにかなり強いこだわりを持った動物だ。一夫一妻制をとっている場合が多く、男女で共同して役割分担し、少数の子供を長い期間育てる生態を持っているからである。

もっとも、それだけであればほかの動物にも例がないことはないが、人間の生態は時代が進むごとに複雑になっている。

多くの動物ではせいぜい、見た目のよさや体の丈夫さ、力の強さや群れの中での権力、遺伝子の相性くらいを気にしていればいいのだが、人間の場合は性格や価値観、家庭環境や人間関係のしがらみに年齢、生活スタイル、浮気性か否か、など気にすることは果てしない。

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