ネズミは「チーズが好き」は人間の思い込みだ 野生のネズミの本当の好物は「穀物や果実」

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ネズミの好物として描かれるチーズの多くは、エメンタールチーズという穴空きチーズである。熟成・発酵の過程で炭酸ガスが発生するために内部に大きな穴が空くと考えられているが、中世のヨーロッパでは、ネズミがかじった穴だと思われていた。

これもネズミがチーズ好きだと思い込まれる原因の1つになったと考えられている。

つまり、まったくの濡れ衣である。

世界各国の猫の好物への思い込み

人間の思い込みとは根強いものだ。ネズミの天敵である猫の好物も各国の思い込みによって作られている。例外として、ネズミが猫の好物であるというのは世界中で共通したイメージである。

日本では猫の好物といえば、魚だ。かつお節をご飯にかけたものは「猫まんま」と呼ばれるし、キャットフードも魚フレーバーのものが多い。

アメリカやイギリスでは、猫の好物はチキンである。キャットフードも牛やチキンなどが主流の肉食派だ。フランスでは、鴨肉やジビエなど、人間顔負けのグルメなキャットフードも数多く発売されている。野生の猫も小鳥を食べるからこの辺はあまり意外性がないかもしれない。

うそのような話であるが、インドでは猫の好物はカレーだとされている。猫舌にスパイシーなカレーは少々厳しそうな気もするが、インドの猫は確かにカレーをよく食べるらしい。

そして、イタリアの猫はパスタ好きだ。細長い麺も器用にすすって食べるのだとか。

つまり、それぞれの国に住む人が自分たちの食事から適当に分け与えたものを猫が食べるから、好物だと思い込んでいるらしい。

海外育ちの猫はたとえ種類が日本猫であっても、魚を好むようにはならないようだ。反対に、エキゾチックな見た目のシャム猫だとかロシアンブルーだとか、外国にルーツを持つ猫でも、子猫のときから日本で育てば魚を好むように育つという。思い込みから始まるとはいえ、猫は育った国によって実際に嗜好を変える。

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