鉄道にもようやく浸透「ポイント還元」新時代 JR東・西が来春オフピークに導入、すでに実例も

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交通系ICカードのポイント還元でオフピーク利用を促す動きが広がろうとしている(写真:tkc-taka/PIXTA)

コロナ禍で鉄道の通勤利用者が減少する中、ラッシュ時とその他の時間帯の運賃に差をつけてオフピーク時の利用を促す「時間帯別運賃」の検討が鉄道各社に広がっている。

とくに混雑する時間の利用を避けて「密」の回避につなげるのももちろんだが、大きな目的はラッシュピーク時に集中する需要の平準化だ。鉄道各社はピーク時の需要に合わせて車両や乗務員などを配備してきた。ラッシュ時に集中する利用を分散できればコストを削減でき、経営の安定につながる。

ただ、運賃そのものを時間帯によって異なる形に変更するのは、実現に時間がかかるとみられる。そんな中、乗車する時間帯に応じて交通系ICカードの利用者に「ポイント」を還元する、という試みが広がろうとしている。

ピーク前後の利用にポイント加算

JR東日本は11月、在来線の首都圏エリアで2021年春から時差通勤の推進に向けたポイントサービスを始めると発表した。あらかじめ同社のポイントサービス「JREポイント」に登録したSuica(スイカ)定期券で6時00分から7時00分までの「早起き時間帯」に入場すれば15ポイント、8時30分から9時30分までの「ゆったり時間帯」に入場すれば20ポイント還元するという仕組みだ。

また、定期券以外でも、同一運賃区間を月に10回以上利用するとJREポイントを還元するという回数券のようなサービスも提供する。10回で運賃1回分、11回以上は1回ごとに運賃の10%分のポイントを還元する。これらのポイントサービスは1年間の期間限定の予定だ。

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