鉄道にもようやく浸透「ポイント還元」新時代 JR東・西が来春オフピークに導入、すでに実例も
JR西日本も12月16日、ICOCA(イコカ)定期券の利用者が混雑時間帯を避けて乗車した際にポイントをつけるサービスを2021年春に導入すると発表した。混雑時間を避けて大阪近郊区間の駅から乗車し、大阪中心部の33駅で降りた際に「イコカポイント」を20ポイントつける。こちらも1年間の期間限定とされている。また、福岡県の大手私鉄、西日本鉄道もラッシュ時を避けた利用者に対するポイントの付与を検討している。
時間帯や利用回数に応じてポイントを付与するサービスはすでに存在する。
ラッシュのピーク時を避けた利用にポイントを加算している例としては、東京メトロの「メトロポイントクラブ」(メトポ)がある。東西線西船橋方面から都心への通勤や、有楽町線豊洲駅の降車を対象とした「オフピークプロジェクト」は、通常なら1日3ポイントのところ、ピーク時を避ければ時間帯に応じて10~25ポイントを加算する。
JR西日本も平日10~17時と土休日の終日、ポイント適用区間の4回目以降の利用1回ごとに、運賃の50%もしくは30%のポイントをつける「時間帯指定ポイント」を実施。また、月に同一区間を11回以上利用する場合、11回目以降1回ごとに運賃の10%のポイントをつける「利用回数ポイント」もある。
ポイントサービスは全国各地に
交通系ICカードのポイントサービス自体は、首都圏や京阪神のような大都市圏だけでなく、地方都市にも普及している。利用に応じたポイント加算の仕組みも多様で、地方都市の場合は公共交通の利用促進に結び付けようという考えもうかがえる。
たとえば、仙台市地下鉄ではICカード「icsca」(イクスカ)を導入する際に利用回数によるポイント付与を開始。利用10回までは5%で、回数の増加に応じて最大25%となる。伊予鉄道(愛媛県)の「い~カードポイント」は、電車やバスの1カ月の利用に応じてポイントがたまり、500ポイントごとに還元される。
また、熊本県の公共交通で使用される熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)では基本ポイント(100円につき1ポイント、学生は2ポイント)に加え、1カ月の利用状況によって50~250ポイント(学生は300ポイント)のボーナスポイントがつく。
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