解散から4年「SMAP」を求める声が止まない理由 危機にあってこそ社会全体を励ます存在だった

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こうしたそれぞれの活動があるなかで、年号が令和に変わっても世の中のSMAPを求める気持ちは変わっていないように見える。

令和のいま、再びSMAPが求められる

例えば、今年4月、ツイッターの日本のトレンドで「#SMAP完全版」というハッシュタグがトップになったことがあった。

NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」から「過去の傑作を放送するなら?」というリクエストの呼びかけがあり、「いま、日本に元気をくれるのはSMAPです SMAPに会いたいのです」といった多数の熱烈なツイートとともに、SMAPが出演した回の完全版再放送を求める声が殺到したのである。

それはきっといまも、先述したような平成の不安な社会状況が続いているからだろう。いや、むしろその不安は、今年のコロナ禍によって一層深刻になっているとさえ言える。まだ誰にも出口の見えないコロナ禍の中で、私たちの不安は募り続けている。そして終息を迎えたとしても、元からあった私たちの不安がすべて解消される保証もない。

こうした状況において、どんな困難に直面してもアイドルとして、そしてエンターテイナーとしての生き方を貫いたSMAPの存在が思い出されるのは、ある意味必然的なことだろう。私たちは、心のどこかで「まだ“SMAPの歴史”は終わっていない」と知っているのである。

太田 省一 社会学者、文筆家

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おおた しょういち / Shoichi Ota

東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本社会の関係が研究および著述のメインテーマ。現在は社会学およびメディア論の視点からテレビ番組の歴史、お笑い、アイドル、音楽番組、ドラマなどについて執筆活動を続ける。

著書に『刑事ドラマ名作講義』(星海社新書)、『「笑っていいとも!」とその時代』(集英社新書)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東』(東京大学出版会)、『水谷豊論』『平成テレビジョン・スタディーズ』(いずれも青土社)、『テレビ社会ニッポン』(せりか書房)、『中居正広という生き方』『木村拓哉という生き方』(いずれも青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』(筑摩書房)など。

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