しかし、2016年いっぱいでSMAPは解散。その後メンバーは、それぞれの活動を始めている。
木村拓哉はジャニーズ事務所にとどまり、俳優として映画にドラマにとコンスタントに出演を重ねてきた。「教場」(フジテレビ系、2020年放送)では、冷徹な警察学校の教官役を白髪姿で演じ、新境地として話題になった。また今年1月にはソロアルバム『Go with the Flow』をリリースするなど歌手活動を再開、初のソロライブツアーも行った。
風向きが変わってきたジャニーズ事務所との関係
ジャニーズ事務所を離れた香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎は2017年に「新しい地図」として活動を開始。個人としても多方面で活動しつつ、先述の「72時間ホンネテレビ」、3人によるレギュラー番組「7.2 新しい別の窓」(AbemaTV)やYouTubeなど、「新しい地図」としてはSMAP時代にはなかったネットに比重を置いたものになっている。
中居正広は、長年在籍したジャニーズ事務所を今年の3月いっぱいで退所。個人事務所・のんびりなかいを設立した。ただ活動としては、これまでと変わらずバラエティー番組などのMCの仕事が中心である。その中で2019年4月から始まった「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)は、彼ならではのニュース番組という点で注目すべきだろう。
テレビの開拓者・SMAPという観点から言えば、この中で「新しい地図」の3人は、かつてに比べテレビでの露出が減っている印象は否めない。ただ最近は、風向きが少しずつ変わってきた感もある。
稲垣吾郎は今年NHKの連続テレビ小説「スカーレット」に出演、社会派の教養番組「不可避研究中」(NHK、2019年11月放送開始)ではMCを務めている。また草彅剛は来年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に徳川慶喜役で出演、香取慎吾も来年1月から放送予定の「アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜」(テレビ東京系)で5年ぶりの民放連続ドラマ主演が決まっている。
また別の意味で風向きの変化を感じさせるのは、中居正広がMCの番組で現役ジャニーズとの共演が普通に見られるようになっていることだ。ジャニーズ事務所から離れた中居とジャニーズの現役アイドルたちがごく当たり前に絡む姿には、これまでジャニーズと元ジャニーズの間にあった壁がなくなってきていることを感じさせる。
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