リーマン出身幹部が次々と流出、野村ホールディングスの試練

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 しかし、どこまで効果があるかはわからない。金融ヘッドハンティング会社の幹部は「野村の海外部門のギャランティ(報酬保証)は今月まで。最後のボーナスをもらって去る社員がまだ出るだろう」と話す。

また、証券界では金融市場が徐々に回復し、経営に余裕が出てきたことから人材獲得競争が再び激化しつつある。特に、将来的な成長市場と目されるアジアでは「優秀な人材が払底している」(国内大手証券幹部)とされ、体制強化を図る証券会社にとって旧リーマンアジア部門の幹部は垂涎の的かもしれない。外国人の場合、部門のヘッドが退社することで、同じチームの社員が後から付いて出て行くリスクも指摘される。

グローバル化の宿命、外国人の人事は“鬼門”か

野村は現在、リーマン買収時に買収対象から外した米国事業をトレーディング部門中心に大幅増強しようとしている。リーマン買収前には米国の拠点人員は約600人だったが、現在は約1300人へ急増しており、さらに拡大する構え。

「米国拠点で増員した人材の多くは旧リーマン(現バークレイズ)出身者」(グループ広報部)といい、アジア・欧州とまるで逆の現象が米国で起きているとも言える。

グローバルな投資銀行を目指す野村にとって、外国人のマネジメントは避けて通れない。「これまでの野村の海外部門は、二流の人材を一流の報酬で雇って、失敗してきた」と野村幹部も自嘲気味に話すが、外国人の人事はある意味“鬼門”だ。

今回はリーマンという外資系証券を丸ごと買収してのマネジメントだが、優秀な人材をいかに引き留め、収益性を上げていくか。野村の正念場は続く。
(中村 稔 =東洋経済オンライン)

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