「新型ノートvsフィット」徹底比較してみた 類似点の多いコンパクトカー2台の違いとは

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2020年2月に発売された現行フィットは、コロナ禍にもかかわらず順調な売り上げをみせ、日本自動車販売協会連合会によれば、3月の新車販売台数ランキング(登録車)で2位(1万4845台)を記録。ノートと共に長年のライバルであり、同じく2月にモデルチェンジして「ヴィッツ」から車名を変えた「ヤリス」(3位・1万3164台)を抑えている。

トヨタのヤリス、ホンダのフィット、そして日産のノートとフルモデルチェンジが続き、熾烈を極めるコンパクトカークラスの販売競争(写真:トヨタ自動車)

ただし、その後はヤリスが反撃に転じ、4月から9月の新車販売台数ランキングでは1位(7万9400台)を記録。それに対し、フィットは同期間のランキングで4位(5万521台)と形勢が逆転した。さらに直近の11月単月のランキングでは、1位(1万9921台)のヤリスに対し、フィットは8位(7161台)にとどまるなど、徐々に差をつけられている状態だ。

2019年までコンパクトカーの新車販売台数で1位だった先代ノートも、先行して新型を出したフィットやヤリスなどにシェアを奪われ、前述した4月から9月の新車販売台数ランキングでは9位(3万1085台・前年比52.3%)に転落。直近の11月単月では18位(3461台・前年比51.6%)までランクを落としている。

現在のコンパクトカー市場では、まさに「トヨタ強し」という状況だが、さて新型ノートの登場でマーケットにどのような変化が出てくるのか興味深い。

価格帯も同等、類似点が多い2モデル

なお、ノートの価格(税込)は、12月23日に先行発売される2WD(FF)車が202万9500円~218万6800円(2021年発売の4WD車は未発表)。一方のフィットは、ハイブリッドのe:HEVで、2WD(FF)車が199万7600円~232万7600円、4WD車が219万5600円~253万6600円。ガソリン車は、2WD(FF)車が155万7600円~197万7800円、4WD車は175万5600円~218万6800円。

ハイブリッド2WD車だけで見ても、ノートとフィットは価格帯が非常に近い。金額面でも、これら2モデルが競合することは間違いないといえるだろう。新型ノートは発表したばかりだが、今後のフィット、さらにヤリスとの販売競争が気になるところだ。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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