ロイヤルホストが「冷凍食品」に力を入れる事情 コロナ禍での「食の変化」にうまくマッチした

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リブランドの経緯について、ロイヤルデリを担当する庵原(いはら)リサ氏は次のように説明している。

「リブランディングにあたって、お客様に詳細なアンケートをとったところ、私たちの予想とはちょっと違う声が挙がってきました。家で食べる食事の頻度が高まったことから、食も楽しく、イベントの1つとして楽しむために、ロイヤルデリを活用しているという方が多かったんです」(庵原氏)

仕事・子育てで忙しい家庭で毎日自炊するには、「つくり置き」を活用する方法がある。ただしつくり置きで何とかなるのは週の前半が限界。木・金は違う味が食べたい、といったことから、ロイヤルデリを利用している人も多いそうだ。

また、誕生日などの記念にごちそうを自分で作るのは無理だが、メインをロイヤルデリにして、付け合わせなどを自分で用意。テーブルが華やかになって家族も喜ぶ、といった活用法も。

毎週水曜日はいろいろな味のカレーを買ってトッピングも用意し、「カレーパーティー」をするという家庭もあったようだ。

新しいメニューでは、変更前が洋食中心だったのに対して、ショートパスタやカポナータ、ルーローハン、鶏肉のガパオ風炒めなど、イタリア、アメリカ、アジアなど、国際色がより豊かになっているのが大きな変更点。メニュー数も45品へと拡大した。

「食事シーン」からメニューを提案

また、ECサイトも大きくリニューアル。以前は商品カテゴリーから目当ての商品を探す形式のものだったが、新しいサイトでは「食事シーン」から購入する商品をイメージしてもらうような、提案型のページを加えた。

「例えばアウトドアのカレーパーティーなどです。自粛期間にはキャンプがはやりましたが、意外に困るのが当日のお昼なんですよ。結局コンビニのおにぎりで済ませるということも多いようです。そういうときに、湯煎でできるカレーは手軽だけどいつもと違う楽しさもあっておすすめです」(庵原氏)

ロイヤルデリの活用法、アレンジ方法についても掲載したという。ロイヤルデリでは、例えばショートパスタなどもソースを多めにパックしている。野菜などを加えたり、パンを添えるなどの食べ方を想定しているためだ。ただし購入した人にその意図がうまく伝わらないこともあり、「パスタが少ない」「ソースが余る」などの声が寄せられていたそうだ。

リブランディングは売れ行きにどのような影響を与えたのだろうか。

庵原氏によれば、「新カテゴリー商品への支持もあり、売り上げもリブランディング前より伸びている」とのこと。ECサイトでは5000円以上で送料が無料になるため、5000円分をまとめ買いする人が多い。また全国にあるロイヤルホスト店舗でも販売しているため、立ち寄って購入していく客もいるそうだ。

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