マクドナルドの世界総売上をざっくり計る方法 フェルミ推定の練習問題で「地頭力を鍛える」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここでは日本並みに店舗が存在するエリアと、新興国のようにもう少し人口当たりの分布が少ない(数分の一)のエリアに分けて算出してみます(密集地域は日本の市街地をサンプルとして想定して、例えば10万人ぐらいの市に2店舗といった値から推定し、非密集地域はざっくりその「数分の1」→計算しやすい数字に丸める)。

マクドナルドの店舗数の分布は、

密集地域が1店/5万人
非密集地域が1店/20万人
店がない地域が0店

世界の店舗数は世界人口から推測して、

密集地域が10億人/5万人 ≒ 2万店
非密集地域が20億人/20万人 ≒ 1万店
店がない地域が0店

2万店+1万店+0店=3万店(=世界の店舗数)

以上から、年間売り上げの合計は以下のように算出できます。

約6300ドル(=1日当たりの1店の売り上げ)× 3万店(=世界の店舗数)× 365日(年間日数)≒ 690億ドル(=年間売り上げ)

④現実性検証

実際のマクドナルドの年間売り上げを2019年度のアニュアルレポートから確認すると、直営店の売り上げ〈94.21億ドル〉とフランチャイズ店の売り上げ〈907.57億ドル〉の合計の概算から約996億ドルとなります。

さらに同資料から世界の店舗数は3万8695です。

「ざっくりと短時間で概算して桁の感覚をつかむ」というビジネスにおけるフェルミ推定の意図を考慮すれば、目的はある程度達成されたといってよいでしょう。

「結論から、全体から、単純に」考えたか

ここまでの解法の例を読んで、読者はどう思われたでしょうか。おそらく、はじめに例題を読んだときは「見当もつかない問題だ」と思った人もいるかもしれませんが、少しずつ問題を冷静に「解きほぐしていけば、常識的な知識の範囲で、「桁の感覚をつかむ」程度の誤差にまでは、5分もあれば算出が可能なのです。

次ページ思考プロセスを習得するためのツール
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事