「耐久性」で需要を開拓する日野自動車、カギは独自販売網の整備《中国を攻める》
日野は3S拠点拡充のため、提携する整備士を日本の研修施設に招いて、整備技術向上の研修などを実施している。「われわれのビジネスは売ったところから始まる。トラックを絶対に止めてはならない。それが責務だ」(市川副社長)。
3S体制の整備はまずは工場がある地元の広州から始め、次はより市場規模の大きい上海周辺へ3Sを広げることを目指している。
もちろん競合他社も、最大市場でのシェア拡大に注力中だ。
日系では、85年にいすゞが小型トラックの生産拠点を中国の重慶に設立。年間約3・5万台まで生産規模が拡大したが、現地メーカーとの価格競争が激化する中で、現在は伸び悩んでいる。三菱ふそうは独ダイムラーグループ、UDトラックスはスウェーデンのボルボグループの傘下。ダイムラー、ボルボとも現地でのブランド力が強いため、三菱ふそう、UDは中国戦略を優位に進める土台がある。
それと比べ、日野は世界最大級のトヨタグループの一員だが、中国においては自ら市場を切り拓かなければならない。3S体制を整えた販売店網を地道に拡大していくことが、シェア拡大のカギを握っている。
(松浦大 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2010年3月27日号)
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