苦難の鉄鋼メーカー、資源メジャーの大幅値上げに抗えず 



 足元では鉄鉱石などのスポット価格だけでなく、電炉が使う鉄スクラップ価格も上昇。それを受け、建材用のH形鋼では東京製鉄が年初の6・3万円から7万円に値上げ。新日鉄も鋼材の店売り(一般流通向け)価格を6万円台後半まで引き上げている。

「ひも付き」と呼ばれる自動車メーカーなどの大口契約は、これからが交渉のヤマ場。原料が四半期契約に変更される場合、新日鉄の宗岡正二社長は「マージンを確保する観点から、鋼材もそういう動きになる」と、四半期ごとに価格転嫁していく意向を示す。

しかし、最大ユーザーのトヨタはリコール問題で販売台数が苦戦。需要が急回復する展望がないだけに、厳しい交渉となるのは間違いない。

原料価格の高騰で、鉄鋼業界の10年度は前期比1兆円超のコスト増が見込まれる。デフレ脱却への道筋が見えない中、川下との交渉をどう進めるか。業界には重い負担がのしかかっている。

(山内哲夫 =週刊東洋経済2010年3月27日号)

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