世界の事例に見る「規制」と「利点」--解禁へ向け動き出したインターネット選挙運動[6]
2010年3月10日、筆者は参議院予算委員会で、「インターネット選挙運動解禁」についても質問する機会があった。すでに鳩山由紀夫首相がネット選挙解禁に賛同していることは、第1回の記事のとおりだが、質問を通じて、新たに、菅直人副首相・財務相もネット選挙の推進に賛同していることが確認できた。
今回は、第3、4、5回と他国の事例を見てきたまとめとして、規制の各国比較を確認し、選挙において有効活用されているツールの数々を復習、さらに最新の状況も解説していきたい。
各国の規制の比較
第3、4、5回で見たように、諸外国におけるインターネット選挙運動は、ほぼ自由に行える。それに対して日本のインターネット選挙運動は、選挙運動期間(選挙の公示日後)になると、ホームページ、電子メールという主力の武器が使えないという状況だ。
もちろん、ブログの更新、ツイッターの更新(筆者も国会にて確認した)、SNSの利用や動画サイトの更新もすべてできない。第1回で説明したように、パソコン画面に表示される電子データが公職選挙法142条における文書図画(ぶんしょとが)扱いされてしまうことがその原因だ。
世界の状況に比して、日本がいかに遅れているかと、言わざるをえない。
インターネット選挙運動向けツールの最新状況
さて、選挙運動期間中は上述のように制限がある日本のインターネット選挙運動だが、それ以外の時期(「政治活動」期間と呼ばれている)においては、ほぼすべてのツールが使える。日本でも一部の政治家は、政治活動期間中にこれらのツールを最大活用していると考えられる。