ソフトバンクが挑む"鉄腕アトム"の量産化 フォックスコンと組んでPC並みの価格で販売
ペッパーはソフトバンクと仏アルデバラン・ロボティクス社の共同開発によって生み出された。アルデバラン社はソフトバンクの子会社で、500人以上の技術者がロボットの開発・生産に携わっている。
ソフトバンクからはスマホ端末の開発などを担当するプロダクトサービス部をはじめ、各部署のメンバーが開発に参画。クラウドや通信、インターネットに関して技術を提供した。
量産に向けた製造パートナーとなるのはiPhone、iPadなども生産している台湾のEMS(受託生産企業)、フォックスコン(鴻海科技集団)だ。同社のテリー・ゴウ会長も来日し、祝辞を述べた。
価格を抑え、普及を優先
ペッパーは、単にデモンストレーション用に作られたのではない。2015年2月に本体価格19万8000円で一般向けに発売する。さっそく6月6日からはソフトバンクショップの旗艦店である銀座店と表参道店に登場し、接客を担当する。アプリケーションによってジョークを飛ばしたり、ダンスを披露したり、人工知能によるフリートークで来店したユーザーと対話もできる。順次、数百店規模で配置していく方針だ。
ロボットビジネスの規模について、まだ明確な目標はない。そもそも、1体19万8000円では赤字だという。「まずはパソコンが購入できるくらいの低価格で販売し、家庭に普及させていく。量産効果が出てくれば、徐々に利益も出るようになるだろう。そのために、世界一安くてよいものを作るフォックスコンと組んだ」(孫社長)。
ソフト流通から始まり、出版、通信などと、つねに成長する分野でビジネスを広げてきたソフトバンク。最近でも、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、スーパーセルといったスマホゲームや端末卸会社など、積極的に買収を進めている。ロボット分野に関しても、今後はM&Aが頻発する可能性がありそうだ。
なお、「ほぼ合意に達した」とも報道されている、米国携帯4位、TモバイルUSの買収について、孫社長は質疑応答でも、会見後の囲み取材でも、「今日はロボットの発表会だから。まあまあ」などと明言を避けた。
(撮影:梅谷秀司)
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