「充実野菜」「ルーツ」を作った男の"成功法則" 伝説のマーケッターは、なぜヒットを出せるのか?

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【鉄則06】 売れなくなった商品への未練は捨てる

マーケッターは自分が生み出した商品に深い愛着があるゆえに、「まだいける!」と信じてしまうもの。私自身、何度も経験しています。デザインや味のリニューアルをしたり、販促経費のテコ入れをしたりしてもV字回復することなく、手痛い失敗となるケースは数多くありました。

経験からわかったことは、「あきらめる勇気」も必要だということ。リニューアルで大きく成功した試しがありません。それよりも気分を一新し、新しいアイデアを考えて商品化することに労力を費やすのです。

「感情のリセット」は、必須のスキル

どれだけ入念に取り組んでも失敗がなくなることはありません。時にはとんでもなく落ち込んでしまいます。ですが、反省すべきは反省しつつも、早めに気分を切り替えて前を向くことが大切です。これは、マーケッターに求められる素養のひとつ。

私の場合、具体的には、

・自宅からなるべく遠くへ行く

実際の距離が大事です。とにかく離れた場所に行って気分を切り替えるのです。サラリーマン時代には、ほぼ毎週末、横浜や箱根、東京ディズニーランドへドライブしていました。

・成功した夢を見る

夢は自由です。成功している光景を思い浮かべながら寝床に入ると、入眠しやすく、睡眠の質もいい。また眠っている間にも、前向き思考が脳の整理に有効に働きます。

人は誰しも失敗してしまうもの。優れた成果を上げているすご腕のサラリーマンももちろんそうですが、その裏舞台では数え切れないほどの失敗を重ねていることも少なくありません。それを糧にできるかどうかが何よりも大切なのです。

(編集協力:横山博之)

山本 康博 ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター

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やまもと やすひろ / Yasuhiro Yamamoto

1965年生まれ。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja in Japanese brandmarketer~』(BVC)など。

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