「ノルマ未達」チームで蔓延する曖昧な指示9つ 具体性に欠けた指示がチームの生産性を下げる

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それではここで、グズタスチームがよく使う表現9つを列挙してみましょう。

〈代表的な精神論〉
● 気合を入れろ
● 根性で乗り切れ
● 固くなるな、力を抜け
〈代表的な心がけ〉
● 感謝する気持ちを持て
● 日々精進だ
● 謙虚さを忘れてはならない
〈代表的なぼかし表現〉
● 徹底的に……
● 積極的に……
● スピーディーに……

これらを組み合わせると、次のような感じになります。

「10月から新しい期がスタートする。今期は目標未達成に終わったが、来期はしっかりと気合を入れて目に見える結果を出していきたい。部内のコミュニケーションをもっと活性化して、何事も積極的にいこう。いいな」

このようなことをリーダーが言うと、「はい!」と部下たちは返事をすることでしょう。

訓示だけではマネジメント機能を果たしていない

そしておそらく、次のように言っても、

「じゃあ、鈴木君の課は、新規の顧客開拓を徹底するように。佐藤君の課は、商品開発だ。もっとお客様に評価されるような商品をつくり、テコ入れしていこう。企画部の部長も全面的に支援すると言ってくれている。10月からはスピード感をもってやっていこう。頼んだぞ」

きっと、また「はい!」と返されることでしょう。どこにでもありそうなリーダーからの訓示ですよね。

しかし訓示だけでは、マネジメントの機能を果たすことはできません。もちろん目標が達成されることもないでしょう。

先述の例でいうと、1カ月が経過しても、コミュニケーションは活性化せず、新規開拓も全然進まず、日々の業務の忙しさもあり、商品開発も停滞し、企画部の部長はいつもどおり「最近どう?」と声をかけてくれるぐらいで「全面的な支援」とはほど遠い体たらくです。

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