都城駅のホームには、吉都線をゆく2両編成の旧式のディーゼルカーが待っていた。行き先表示は吉松であるが、肥薩線を経由する隼人行きである。乗客のほとんどが高校生だ。これといって特徴のない田畑のひろがる地帯を列車はゆっくり進む。
勾配を登り小林市に入る。風に揺れる収穫間近の稲穂。橙色の実をたくさんまとった柿の木。霧島連峰に囲まれるえびの市を通り抜け、鹿児島県に入って吉松に到着。係員がやってきて、列車の行き先表示を隼人行きに入れ替える。
ここから人吉方面はスイッチバックや日本三大車窓の広がる屈指の絶景区間だが7月の豪雨で不通のままだ。復旧を願いながら隼人に向かう。早朝の出発であったためか、100年以上の歴史のある嘉例川駅にも気づかず、居眠りしたまま終点に到着した。
GoToで「助かっている」
隼人駅の窓口で明日の新幹線の指定を受け、都城行きの普通列車で霧島神宮駅に向かった。
路線バスに乗り霧島神宮で降車する。時刻は17時前。土産屋を兼ねた古ぼけた温泉宿にチェックイン。荷物を置いて霧島神宮を参拝。沈む夕日と霧島連峰を一望できた。
宿で話を聞く。「定期的な工事関係者で多少は持っていましたが、4月から7月まで全然動かず、どうなってしまうのだろうと。8月からようやく観光や登山のお客様が増えてきました。ウチみたいな古くて安い宿より高級旅館に行く人は多いと思いますが、それでも助かっています」。やはり、GoTo施策が救いとなっている観光業者が多いのは確かのようだ。
翌朝は、霧島神宮8時36分発の特急きりしま5号で鹿児島中央に向かった。新幹線に乗車する前に地域共通クーポンを使う。期限は今日中だ。しかも6000円分もある。鹿児島での発行のため福岡では使えない。乗り換え時間30分の間にあたふたと買い物をした。
ここで気がついた。期限を翌日までにすることで、みな慌てて使う。しかも利用可能なのは近隣のみなので、自動的にそのエリアにお金が落ちる。大変よくできた仕組みではないか。
10時3分のさくら550号で博多に向かった。博多到着は11時41分。14時のキックオフに十分間に合う。試合は1-0で福岡に負けたが、久しぶりのアウェイ遠征に幸せを感じた。
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