星野やプリンスも注目の「ワーケーション需要」

「ゴンドラ」をテレワーク用個室として貸し出し

テレワークゴンドラは、星野リゾートが運営するスキー場「アルツ磐梯」で使われていたスキーゴンドラを再利用した。宿泊者限定の予約制で料金は無料(写真:星野リゾート)

ワーケーションが大きな注目を浴びている。ワーケーションとは、「ワーク」(仕事)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた概念であり、リゾート地などでテレワークしながら休暇を取る過ごし方である。宿泊業界では、働く場所がオフィスに限定されないニューノーマル時代における新事業として期待が高まっている。また、利用者目線で見れば、働き方改革とも親和性があり、導入を検討する企業も増え始めている。

しかし、ワーケーションへの関心が高まる一方で、さまざまな不安要素があることから、なかなか実際の利用に踏み出せない人も多いようだ。その不安とは、以下の3つに集約できると思われる。

① 地方に行くと、通信環境やワーキングスペースなど、仕事をする環境が整っていないのではないか(仕事環境の不安)
② 万一の事故が怖く、自家用車での移動は避けたいが、地方に行くと交通の便が悪く、バケーションが十分に楽しめないのではないか(足回りの不安)
③ そもそも会社がワーケーションを許してくれないのではないか

本稿では、こうした利用者の不安を取り除き、ワーケーションを活用しやすくするために、どのような取り組みが行われているのか、具体的な事例をレポートする。

星野リゾートの「リゾナーレ八ヶ岳」

①のようなリゾート地での仕事環境の不安を解消すべく、利用者に向けた情報発信を積極的に行っているのが、星野リゾートだ。今回、筆者は同社が運営する「リゾナーレ八ヶ岳」におもむき、リゾート地でのワーケーションを実際に体験した。

まず、リゾナーレ八ヶ岳のワーケーションの利用状況ついて、総支配人の北嶋文雄氏に話を聞いた。

「当ホテルは、Wi-Fi はもちろん、24時間利用可能なコワーキングスペースなどを用意し、リゾート地にいながらも仕事に対応できる環境が整っている。そのことをお客様にお伝えするために、コロナが大きな問題になり始めた3月上旬から、テレワーク利用を前提とする宿泊プランの販売を開始した。その後、緊急事態宣言が出されるなどしていた4月、5月は動きが見られなかったが、7月、8月になるとロビーなどに設置したコワーキングスペースで、仕事をされているお客様の姿を例年よりもかなり多く見かけるようになり、テレワーク・ワーケーション需要の大きさが、私たちの想像以上であることを実感した」

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