星野やプリンスも注目の「ワーケーション需要」 「ゴンドラ」をテレワーク用個室として貸し出し
こうした雇用者側の不安要素を除くために、ワーケーションにまつわる課題解決をサポートする法人向けのソリューションプランを提供しているのがプリンスホテルだ。同社では、今年2月より、軽井沢プリンスホテルでワーケーションに特化した個人客向けの宿泊プランを販売開始し、7月までに延べ約900名の利用があった。そのアンケート結果を見ると、明らかに会社単位の利用も見受けられたため、その後、法人向けプランの開発に着手したという。
では、プリンスホテルが言うところの「ソリューション」とはどのようなものなのか。広報担当に話を聞くと、「当社は、国際会議の開催など、MICE(マイス、ビジネスイベントの総称)の豊富な実績と設備がある。それを生かし、アクティビティや会食を含むスケジュール設定など、ワーケーションプラン全体をアレンジさせていただくことが可能だ。また、リモート会議やミーティングには、ご利用人数、規模に応じてご活用いただける大小会議室や宴会場など、さまざまな施設も完備している」という。加えて、詳細は未定であるものの、「今後は、アプリなどを活用し、滞在中の生産性向上をサポートする」(プリンスホテル広報)ことも検討しているという。
なお、現在、法人向けプランに対応しているのは軽井沢、箱根、広島、大津、雫石の5施設で、費用は各施設共通の基本プランを設定している。例えば、7~27泊の中期滞在プランであれば、1日1室1万5000円(税・サービス料込)という、かなり安価な価格設定がされている。この基本プランをベースに、客室を数カ月単位で契約してサテライトオフィスとして活用するとか、借り上げ契約等により福利厚生やインセンティブとして活用するといった、企業ごとのニーズに合ったプランを提案するという。
滞在先が気に入れば、そのまま移住を検討
さて、以上を見てわかることは、利用者のニーズとして、ワーケーションの滞在先には、安心・安全に加えて、便利さが求められているということだ。短期の観光滞在であれば、多少、交通の便が悪く、ネット環境などないほうが旅情が感じられ、かえってリフレッシュできるといったこともあるかもしれない。しかし、仕事をしながら、しかも長期滞在となれば、便利さが求められるのは当然のことである。
ワーケーション利用者の中には、滞在先が気に入れば、そのまま移住を検討するという人も、少なからずいるようだ。都会からの移住促進を図る自治体も多いが、まずはワーケーションを利用しやすい環境を整え、その土地の生活を体験してもらうことが、今後の移住促進の大きな流れになるかもしれない。
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