「街歩き as a Service」ゼンリン+長崎の試み 産学官連携の観光アプリ「STLOCAL」の有用性
長崎に行って、STLOCAL(ストローカル)を使ってみよう――。
そう思い立ち、羽田から長崎に飛んだ。STLOCALとは、地図情報サービス大手のゼンリンが長崎市と2021年7月に締結した、包括連携協定に基づくデジタルサービスだ。スマートフォンのアプリを使ってサービスを受ける形である。
長崎空港からバスに乗り、長崎駅近くのホテルでチェックイン前に荷物を預け、身軽な状態になってから長崎の街に繰り出した。筆者にとって長崎県は初めてではないが、これまで長崎市内中心部を巡った経験はなく、STLOCAL頼みの長崎の旅となる。
STLOCALのホーム画面では、「東山手・南山手」や「新地中華街・浜の町」などの長崎市中心部や、市の周辺部である「深堀・香焼・伊王島・高島」など、あわせて15のエリアに分類されていて、それぞれの見どころを紹介している。
一般的な旅行ガイド情報だと出島やグラバー園、眼鏡橋など定番スポットが中心となりがちだが、STLOCALには地元の人しか知らないようなディープなスポットも含まれている。長崎県内で活動するYouTuberなどの協力も得て、「ちょっと見に行ってみたくなる」ような情報が盛りだくさんだ。
旅の計画からデジタルチケット購入まで
事前に登録したクレジットカードで、有名観光スポットの入場券や路面電車・路線バスの1日乗車券などのデジタルチケットを購入することもできる。また、「旅の計画」として計画名、出発日時、移動方法を入力して、利用者の“頭の中の整理”ができるのも特徴だ。
まずは、「長崎電気軌道24時間乗車券」を購入し、出島を目指した。サービスを受けるタイミングで、24時間からデジタルメーターでのカウントダウンが始まった。降車時に、運転手さんにSTLOCALの画面を見せる。
初めて訪れた出島は、子どものときに教科書を通じて得たイメージより小さいと感じると同時に、鎖国という歴史的事実を肌感覚で捉えることができた。次いで、大浦天主堂からグラバー園に向かう第2ゲートへ。ここに「グラバースカイロード」がある。
STLOCALの詳細情報によると「斜面都市ならではの斜めに動く珍しいエレベーター」と説明されていた。利用料金は無料で、観光客だけではなく地元住民も利用する生活の足である。
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