ロールス・ロイス「ゴースト」に見た圧倒的実力 2代目はあのファントムを乗り心地で凌駕する

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メーター回りの高級感も抜群だ(写真:ロールス・ロイス)

売れに売れた初代ゴーストはロールス・ロイスに新たな客をもたらした。その中には、運転手任せではなく自分で運転するオーナーが多数いた。彼らは検討する際に販売担当者に“走り(ドライビング・エクスペリエンス)”に関する質問を投げかけたという。普通のブランドなら当然の質問だが、買う人と運転する人が違うロールス・ロイスにとっては新鮮だったようだ。新型ゴーストは、自分でステアリングを握る新世代のロールス・ロイスユーザーを、より満足させるために開発されたのだ。

さらに新型ゴーストは新世代ユーザーの嗜好を反映している。それがロールス・ロイスの掲げる脱贅沢だ。とはいうものの、新型は相変わらず巨大な車体に余裕あるエンジンを載せ、車内には極上のウッドとレザーが使われている。人が触れるあらゆる部分を温めたり冷やしたりでき、18チャンネル18スピーカー(計1300W)のスピーカーを使った極上のオーディオも備わる。

結局、「贅沢じゃん!」

シャンパンを冷やす冷蔵庫もある。エンジンルームと車室を隔てるバルクヘッド(隔壁)を中心に、1台につき100kg以上の遮音材が使われる。開発過程でエンジンやトランスミッションが発する音からエアコンの送風音に至るまで、遮音を徹底した結果、かえって乗員が違和感を抱く車内になってしまったため、わずかに音が侵入するように戻したほどだ。そして気になるお値段は3590万円〜。

は、超贅沢じゃん!

思わずツッコんだ。けれども、言われてみれば……いくつか思い当たるフシがある。ゴーストのフロントマスクには例によってパルテノン神殿のようなグリルが鎮座しているものの、ファントムやゴーストのそれよりも小さくわずかに後傾しているため、控えめだ。外観全体を見ても、装飾的でなくシンプルだ。インテリアを見ると、いつものようにきらびやかなハイグロスフィニッシュのウッドパネルが使われた車両もあったが、ロールス・ロイスには珍しく素材の感触が残る渋いオープンポアフィニッシュのウッドの仕様もあった。

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