ロールス・ロイス「ゴースト」に見た圧倒的実力 2代目はあのファントムを乗り心地で凌駕する

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ロールス・ロイス各モデルのインパネにはタコメーターの代わりにパワーリザーブメーターが備わる。停止時に100を指し、全開加速をすると0に近づく。文字通りエンジンの余力を示すメーターだ。流れに沿って一般道を走行する限り、針が100から大きく離れることはない。新型ゴーストでもそうだった。試乗した栃木・日光の中禅寺湖あたりを流す程度ではメーターの針に大きな動きはなく、停止時と変わらぬ車内の静けさを保ったまま、車窓の景色だけが流れていった。

余裕あるエンジンは想定内だったが、乗り心地とハンドリングについては想定以上に素晴らしく、驚かされた。ロールス・ロイスによれば、この極上の快適性は新たに採用したプラナー・サスペンション・システムと4輪操舵システムの恩恵によるもの。プラナーとは“完全に平らで水平な幾何学的平面”を意味する言葉。どんな路面もプラナーな路面に変えてしまう足まわりということか。

路面状況をカメラで検知して減衰力を最適化

このシステムは、フロントカメラで前方の路面状況を検知してダンパーの減衰力を最適化するフラッグベアラー・システム、GPSで道路の曲率を把握してカーブの前でギアを最適化するサテライト・エイデッド・トランスミッション、そしてロールス・ロイスが世界で最初に実用化したアッパー・ウィッシュボーン・ダンパーという3つの仕組みの組み合わせで構成される。

アッパー・ウィッシュボーン・ダンパー(筆者撮影)

このうち前の2つはロールス・ロイスの他のモデルや他社製品に採用された実績があるが、アッパー・ウィッシュボーン・ダンパーはロールス・ロイスが開発したもので、パテントを取得している。Uの字型のアッパー・ウィッシュボーン(サスペンションの一部)を上下2個、計4個のパーツで支えているのが、前輪とボディの隙間から見える。一種のマスダンパーで、ロールス・ロイスであっても過去のモデルで低減しきれなかった微振動を抑え込んでいるという触れ込みだ。

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