「アルピナB3」高性能なのに快適すぎる車の正体 BMW車ベースに極めて高次元のバランスを実現

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見た目は普通のBMW3シリーズと大差ないように見えて中身は全然別物。「アルピナB3」とはいったいどんな車なのか(写真:ニコル・オートモビルズ合同会社)

「BMWアルピナB3」が第41回 2020–2021日本カー・オブ・ザ・イヤーで「10ベストカー」に選ばれるとともに、昨年12月7日の最終選考会で「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

これまで日本カー・オブ・ザ・イヤーとは縁がなかったBMWアルピナが部門賞の受賞を果たした背景には、日本市場において「年間の販売台数が500台以上見込まれている」というノミネート車の条件が今年は解除されたことがある。販売台数的にはメジャーではないモデルもエントリーが可能になったのだ。

アルピナはBMWとの友好的な協力関係の下、BMW車をベース車両として、50年前から独自のモデルや関連するパーツ、アクセサリーなどを開発、生産・販売している。そのBMWアルピナについて今回から3回にわたる短期連載でその最新事情や歴史を追っていきたい。

ヘリで東京⇔福島をつないで行われた試乗会

最も安価な車種でも1000万円を超えるBMWアルピナにおいて、「B3」は最もポピュラーでマーケティングに注力したいモデルだ。10ベストカー選考の直前、BMWアルピナの輸入総代理店であるニコル・オートモビルズ合同会社は、主に日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員に向けた特別な試乗会を実施した。

東京は新木場のヘリポートに招かれた参加者は、そこから1時間半ほどヘリコプターに乗せられて五色沼で有名な福島県の裏磐梯まで移動。現地でB3を2時間ほどワインディングロードで試乗した後、再び東京まで250kmのフライトで戻ってくるプログラムだ。

「日本では道路状況や法規の制約があり許されませんが、速度無制限のアウトバーンがあるドイツでは、長距離を一気に高速移動して仕事をこなすビジネスマンがいます。そんな世界観を、今回の試乗会を通じて体感していただきたい」との趣旨だという。

筆者は日本でヘリに乗るのは初めてだったが、ちょうど紅葉し始めた五色沼周辺や刻々と変わる夕焼けの美しさに加えて、標高1000〜1300m程度の高さを保って往復してみると、関東平野はこんなに広いんだ、山間部にはソーラーパネルがこんなにたくさん設置されているんだ、など感心することが多かった。コーヒー1杯飲む余裕がないタイトなスケジュールだったが、豪華なイベントは慣れているはずの選考委員たちにも一定のインパクトを与えたに違いない。

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