「アルピナB3」高性能なのに快適すぎる車の正体 BMW車ベースに極めて高次元のバランスを実現

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ヘリを飛ばして東京から1時間半の福島で試乗会が行われた(筆者撮影)

さて肝心のBMWアルピナB3とはどんなクルマなのだろうか。ボディーの骨格は昨年デビューした最新のBMW 3シリーズと共通で、4ドア・セダンの「リムジン」とステーションワゴンの「ツーリング」が用意される。

エンジンは排気量約3リッターの直列6気筒、という点は3シリーズの上級モデル「M340i xDrive」と同じだが、B3には「BMW X4 M」などと同じく超高性能に対応したS58型のエンジンブロックが用いられ、最高出力/最大トルクもM340iの387馬力/500Nmから、アルピナB3では462馬力/700Nmへと大幅に引き上げられている。

3シリーズの上級モデル「M340i」も相当パフォーマンスは高いが、アルピナB3はそのさらに上を行く

動力の伝達はM340i同様だ。8段オートマチック・トランスミッションと4WDシステムを通じて駆動される19もしくは20インチのタイヤは、ピレリがアルピナのために専用に開発したものだ。電子制御ショックアブソーバーを持つサスペンションにも専用のチューニングが施されているほか、ブレーキにも「M760Li xDrive」と同じ大容量システムがオプション設定されたという。

価格の比較では、M340iがセダン/ツーリングそれぞれ987万/1010万円に対し、B3は1229万/1258万円。いずれにしても489万/523万円であるエントリーモデルの318iよりかなり高額ということになる。

BMWからワンステップ上の高級・高性能サルーン

BMWが取りそろえる極めて豊富な技術資産をベースに、独自のエッセンスを加えてワンステップ上の高級・高性能サルーンを作り上げるのがアルピナ流だ。

462馬力という最高出力は絶対的には超高性能であるものの、新型M3(480/510馬力)に比べて、あえて出力を控えめにしたとも取れる。筆者による過去のインタビューにおいて、アルピナの技術責任者は「過給エンジンであれば、出力を上げるだけなら誰にでもできる。問題はそれを燃費や静粛性と両立できるかだ」と述べていた。

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