「アルピナB3」高性能なのに快適すぎる車の正体 BMW車ベースに極めて高次元のバランスを実現
事実、勇ましくパフォーマンスカー然としたBMW「M340i」や、ピリピリした緊張感を伴うX4 Mコンペティションに比べると、アルピナB3のエンジンは多気筒ならではの静けさと涼やかな回転感覚が際立っている。おとなしく走らせる限りでは、新型3シリーズで最も静粛性が高いのはアルピナB3ではないだろうか。
むろん462馬力の出力は1860kgの車体に対して十分に強大で、5000rpmから上でほぼ最高出力を発揮し続ける特性ゆえ、速度は果てしなく伸びていく気がする。そのままアクセルペダルを踏み続ければ303km/hまで達するというのだが、そんなときも安心していられるのではないかと思うのは、4WDシステムがつねに駆動力を余さず伝えることに加えて、路面の状況がステアリングホイールを介して繊細に手のひらに伝わってくるためだ。
「運転がうまくなった気がする」納得の理由
アルピナに乗ると「運転がうまくなった気がする」という人が少なくないが、それは気のせいではなくて、感受性の高い道具を手に入れることで、技術が向上していなくても運転という結果は大きく改善されるということだと思う。
裏磐梯のワインディングロードでは、安定感と敏捷性を両立させたすばらしいハンドリングを堪能できた。グレードアップされたブレーキの繊細なタッチも好ましかった。
通常の3シリーズとの違いを最も目に見えやすい形で具体化したのは、電子制御ショックアブソーバーに「コンフォート・プラス」モードが追加されたことかもしれない。通常のコンフォート、エコ・プロ、スポーツ、スポーツ・プラスという設定からエコ・プロを削除し、快適性に絞ったモードを加えたのだ。
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