ベンツ「Cクラス」7年ぶり大刷新で価格上昇の訳 電動化&デジタル化で今や“小さなSクラス"
最も手頃な保守本流のFR(後輪駆動)メルセデスとして人気の「Cクラス」が、7年ぶりにフルモデルチェンジ。メルセデス・ベンツ日本は2021年6月29日、オンラインで発表会を行った。
Cクラスは1982年に登場した「190/190E」の後継モデルとして、1993年に初代モデルがデビュー。ボリュームゾーンを400万円台とすることで、メルセデス・ベンツのエントリーモデルとして、同ブランドの裾野を広げる役割りを果たしてきた。
2014年に登場した先代モデルでは、セダン・ワゴン・クーペ・カブリオレと、多彩なボディタイプにディーゼルエンジンを含む多様なパワートレインを組み合わせて、多くのユーザーを獲得。グローバルでは累計1050万台以上、日本でも累計40万台以上が販売された。
今回、発表となった新型Cクラスのトピックは、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドにより全モデルが電動化パワートレインとなったこと、今年1月に国内発売されたばかりの「Sクラス」に準じたデジタル化が施されたことの大きく2つだ。ラインナップと価格は以下のとおり。7月下旬より先行予約の受付を開始する。
C 200アバンギャルド(ISG 搭載モデル):654万円
C 200 4MATICアバンギャルド(ISG 搭載モデル):684万円
C 220 dアバンギャルド(ISG 搭載モデル):682万円
C 350 e アバギャルド:価格未定
<ワゴン>
C 200 アバギャルド(ISG 搭載モデル):680万円
C 220 d アバンギャルド(ISG 搭載モデル):708万円
「従来の良さを犠牲にしない」というこだわり
新型Cクラスのボディサイズは、全長4751mm×全幅1820mm×全高1438mm(欧州参考値)。先代モデルと比較して全長こそ65mm伸長したものの、全幅の拡大は10mmに抑えられた。
さらに後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が新たに採用されたことで回転半径が小さくなり、サイズアップを感じさせない小回り性能が実現されたという。比較的コンパクトで取り回しがしやすいという、従来からのよさを犠牲していないのがこだわりだ。
エクステリアデザインは、ボンネットを長めにし、キャビンを後方に持ってくることで、端正なFRセダンのシルエットを強調。「Sensual Purity(官能的純粋)」という、メルセデスが掲げるデザインの基本思想に基づいてラインやエッジを大幅に削減することで、陰影のある局面的な形状となった。
サイドウィンドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く一本のキャラクターラインは、「キャットウォークライン」と呼ばれ、「車高を低くスマートに見せる効果を発揮する」と説明された。
Cd値(空気抵抗)はセダンが最小0.24、ステーションワゴンが0.27と、高水準のエアロダイナミクスが実現されており、省燃費性能にも抜かりはない。
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