ベンツ「Cクラス」7年ぶり大刷新で価格上昇の訳 電動化&デジタル化で今や“小さなSクラス"

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警告や緊急自動ブレーキ機能を含む「アクティブブレーキアシスト」では、交差点や曲がり角での右左折の際に、対向、飛び出し、巻き込みなどにより、車や自転車、歩行者などと衝突する危険がある場合に、警告や自動ブレーキが作動するよう精度が向上されたという。

他にも、車両前方に車道横断中の歩行者がいる場合に衝突の危険を検知するとステアリング操作をアシストする「緊急回避補助システム」で、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車の検知も可能となるなど、従来からの機能であっても検知範囲や速度域が広くなるなどの改良が加えられる。

メルセデス初のディーゼル+ISGをラインナップ

パワートレインは、C 200とC 200 4MATICに最高出力 204PS(150kW)/最大トルク300Nmを発生する、1.5リッター直列4気筒ターボエンジン「M254」を搭載。

静粛性を高めるためもありフルカバーされるエンジンルーム(写真:メルセデス・ベンツ日本)

C 220dには、同200PS(147kW)/440Nmを発生する2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン「OM654M」が搭載され、両エンジンともマイルドハイブリッドシステム「ISG」により、最大20PS (15kW)/200Nmのブーストが可能となった。C 220dは、メルセデス・ベンツとして初めてディーゼルエンジンとISG が組み合わせられたパワートレインだという。

2022年内に導入予定のC 350 eは、204PS(150kW)/320Nm を発生する2.0リッター直列4気筒ターボエンジン「M254」に、最大129PS(95kW)/440Nm の電気モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドとなる。バッテリー容量は25.4kWhで、電気のみでの100kmの走行が可能だから、日常生活ではEV(電気自動車)のように使うことができるだろう。

※C 350 eの排気量について、会社側が当初発表していた情報に誤りがあったため訂正しています。正:2.0リッター、誤:1.5リッター

なお、トランスミッションは全モデルで9速ATの「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」が搭載される。

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メルセデス・ベンツのフラッグシップであるSクラス譲りのデザインや技術が惜しみなく注ぎ込まれ、“小さなSクラス”としての性格がより強められた新型Cクラス。内容の充実度からすれば決してコストパフォーマンスは悪くないが、主力グレードが500万円台からだった先代と比べると上昇した価格は気になるところ。

「Aクラスセダン」の登場により、上級移行したと見ることもできるが、はたして市場ではどのように受け入れられるのだろうか。まず、C200とC220dの先行予約が2021年7月下旬から始まり、秋ごろに納車が開始される予定となっている。

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先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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