子の寝かしつけに「赤い電球」が効く科学的理由 ノーベル賞受賞研究室の睡眠学者が教えるコツ
では、寝る前の時間はどうでしょう。夕方の日光では、青い光が減り、赤い光の割合が増えます。赤い光が強くなると、睡眠をうながすホルモンであるメラトニンが生成され、眠くなっていきます。
ところが、このあと部屋の明かりやテレビやスマホの画面の光を浴びつづけると、メラトニンの生成がうまくいかなくなります。
赤ちゃんには、夕方以降はできるだけ青い光を当てないようにします。そして赤ちゃんが夜に寝る部屋では、赤いライトを使いましょう。
ライトに使う赤い電球は、60W相当のLEDを買うようにしてください。従来の白熱電球より長持ちするだけでなく、赤い色彩がより「はっきり」しているため、赤ちゃんの睡眠に適しています。
60Wなら、本が読めるくらいの明るさもある一方で、電気をつけたまま寝たい子のために部屋の隅に置いておいても明るすぎるということはありません。おむつ替えや授乳などのお世話をするのには十分な明るさです。ルーメン(lm)換算では700〜800lmが目安です。
夜中や早朝に起きても夜モードを保つ
赤ちゃんが夜中や早朝に起きてしまったときも、夜モードのまま。寝室からは出さず、赤いライトだけをつけ、遮光カーテンは閉めておきます。赤ちゃんが小さいほど、おっぱいをあげるのには時間がかかり、多くのお母さんがスマホで時間をつぶしていると思います。わたしもそうです。
ただ、スマホの画面から出る光には、夕方の自然光より多くの青い光(ブルーライト)が含まれています。そして、スマホであれパソコンであれ、夜に画面を見るとメラトニンの生成が遅れ、 寝つきが悪くなることが証明されています。
これも、簡単に解決できます。スマホやパソコンのナイトシフト (iOS)やナイトライト (Android)機能を使うか、 ブルーライトをフィルタリングする無料アプリをインストールしましょう。あなたも赤ちゃんもブルーライトを浴びる量が減り、夜中の授乳のあとも、よりスムーズにもう一度眠れるでしょう。
赤ちゃんが寝る部屋からは、青い光をすべて取りのぞいてください。青い光は、青色に光っているとはかぎりません。緑色の光にも含まれています。青く光る目覚まし時計も、緑のランプが光る充電器も、部屋に置かないようにするか、テープや布で覆いましょう。絶対に失敗したくないなら、赤い光だけを使っておけば安心です。
起きる時間になったら、1日のはじまりを知らせて、ルーティーンを開始します。「おはよう」と言ってカーテンを開け、赤ちゃんを起こすときは、昼間用の声で話しかけましょう。目標は、夜モードと昼モードのちがいをはっきりさせることです。昼間の活動、お昼寝や食事は、夜の活動とはまったくちがうやり方にします。
そのために、いちばん大切なのは、昼寝の時間に部屋を暗くしすぎないことです。昼寝が長引かないよう、夜のようにぐっすり眠れる環境にはしません。おくるみは使わず、昼寝の時間が終わったら起こしましょう。
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