「英語ガイドする小学生」に学ぶ言語習得8原則 外国語は早期教育を行ったほうが有利なワケ
拓土くんのお母さんに家庭で取り組んできたメソッドをうかがった際、このようにおっしゃっていました。
「どうやって『音と体験、音と現象を結び付けた形』で意味がひも付くインプットをしていくか、どうやって『子どもの興味』を利用して世界を広げていくか、どうやって『身に付けた英語を実際に使う』機会をつくるか。そんなことばかり考えてきたように思います。
私ははっとしました。なぜならば、ここに書いてあることは長年第二言語習得に不可欠である要因とされてきたものだからです。拓土くんの英語学習をサポートしてきたお母さんが無意識に書いたことが、言語習得の大切な原則につながっていることに感心しました。
言語習得に適切な環境を整える
以下、その原則と上の引用とを結び付けていきます。
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原則1 言語が表す意味に注目する
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原則2 意味に注目しながらも、言語の形にも注目する
拓土くんのお母さんが上で言っている「音と体験、音と現象」とは、言語の形である音声を体験や現象を通して得られた意味と関連付けることを言っています。すなわち、コミュニケーションが行われる状況で、言語の意味を理解し、表現する時があって初めて言語習得に適切な環境が提供できるということです。
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原則3 理解できる意味のある多量のインプットが不可欠である
「意味がひも付くインプット」とありますが、意味のある状況でインプットが何度も繰り返され、その頻度が高くなることが必要です。これは当然のことなのですが、実は日本の英語教育ではこの部分が大きく欠如していたために多くの人が英語学習につまずいてしまいました。
教室の英語学習を思い出してみると、「英語を聞いたり、読んだりしている時」よりも「英語についての説明を聞いている時」のほうがはるかに多かったのではないでしょうか。
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原則4 表現したいことを言語やそれ以外の要素を使って多量にアウトプットする
拓土くんのお母さんは、これを「英語を実際に使う」と表現しています。まさに、アウトプットすることは実際に表現することで、音声、語彙、文法などの知識が少しずつ自動化されながら、原則1と2の言語と意味の結び付きが一層強まります。
しかし、このアプトプットは意味のある場面で相手があることがより大切になり、それが次の原則につながります。
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原則5 やり取り(インタラクション)することが言語発達のための核となる
相手と英語で交流しながら、お互いに意味を確認し、言っていることを修正したりされたりすることにより、インプットがさらに理解できるものになり、アウトプットも理解されやすいものになります。このような機会を通して、使いながら言語発達が促進されることがとても大切です。
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