「サブスク」を理解しない企業が淘汰される未来 「ディズニー年パス」はサブスクと言えるか

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小売りであれば、商品の良しあしにこだわっているところが依然として多い。質のよい商品を取りそろえることはもちろん大切です。しかしこれからの未来では商品の良しあしよりも、サービスの使い勝手、体験を重視する傾向にあります。ここがズレている企業は、確実に淘汰されていきます。いい品を大量に仕入れ、他社よりも安い価格で販売していれば必ず儲かる。そのような時代ではないのです。

向いている業界、向いていない業界

アマゾンがいい例です。なぜ顧客はアマゾンを支持するのか。質の高い商品が安く買えることもあるでしょう。ただそれはあくまで一部であり、アマゾンであれば自分の望む商品がそれなりに安い価格で、サッと買える。だからアマゾンで買い物をする。顧客の多くはアマゾンというブランドに価値を見いだしているから、ほかのeコマースではなく、アマゾンで買い物をするのです。多くの商品が配送料無料であったり、注文して翌日に届くアマゾンプライムサービスなども、当然含まれます。

そして使い勝手のよさ、ブランド力を高めるためにはデータが必要であり、そのデータを取得する王道の手段が、サブスクリプションなのです。

アメリカでもいまだに老舗大手スーパーで、サブスクリプションやデータを活用することなく、商品の品ぞろえや品質で勝負しているところがありますが、よほどとがった商品でも置かない限りこれから先、生き残っていくのは厳しいでしょう。

サブスクリプションは、顧客を1人追加したからといって、とくにコストが増えない業界に向いています。というよりも、この手の業界がサブスクリプションを導入すれば、大きく飛躍するチャンスです。具体的には、音楽、映像、ゲームなどのデジタルメディア、ソフトウェア業界など。マイクロソフトがゲーム会社を買収し続けていることやネットフリックス、アップルミュージック、スポティファイなどがいい例です。

サブスクリプションを導入すると、具体的に顧客にどのようないい体験を提供できるのか。特徴的なのは、レコメンデーションです。趣味嗜好というのは似ている人が多いですから。

ある顧客をA、そしてもう1人の顧客をBとします。BさんがAさんと同じような映画や音楽を好む傾向がデータから分析できたら、Aさんがこれまで見た映画や好んで聞く楽曲を、Bさんにすすめることができます。

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