「あなたは勘違い系」43歳女性変えた辛辣な一言 新しい家族を自らつかみとった彼女の経緯

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2人はその後も順調にデートを重ねて、5回目のデートの別れ際に俊之さんのほうから「このまま付き合ってもらっていいですか」との申し出があった。

「付き合い始めた直後に彼は会社を辞めてしまいました。私とのことは別として退職を決めていたみたいです」

仕事を辞めたからといって別れる気持ちにはならなかったと振り返る真矢さん。俊之さんのまじめな人柄を見抜いていたのかもしれない。実際、俊之さんは職業訓練学校に通ったうえでより待遇のいい会社への転職を決めた。

この間、東京と群馬で「約100キロの中距離恋愛」を続けていた2人。子ども好きの俊之さんが子どもを欲しがったため、結婚をほぼ見据えたうえで妊娠を目指した。

「一度、早期流産をしてしまいましたが、4カ月後にはまた妊娠できました」

淡々と語る真矢さん。結婚と出産から2年以上が経過しているからなのか、喜びに満ちあふれているようには見えない。

不器用ながらも家族を作り幸せな日々

「生活に追われているからです。子どもの世話と自分の仕事をなんとか回しています。車の運転が苦手なので、子どもがいなかったら群馬に移住しませんでした。一応、駅前に住んでいて、夫の実家は車で5分ですが、保育園もスーパーも遠いので困ります。働き口もないし、友だちもいない。移住はマイナスしかありません!」

東京にはたくさん友だちがいるんですか、と水を向けると、「いません。欲しいけれど、誰とも長続きしませんでした」と声を小さくする真矢さん。こだわりが強く、率直で、人に適当に話を合わせたりなどもしないからだろう。

でも、真矢さんは決して意地悪ではないし、親切で丁寧なメールをくれる。得意のネットを活用すれば気が合いそうな友だちは群馬県でも見つかるのではないだろうか。

「ありがたいのは、夫がいい父親でいてくれることです。子どもの頃は、弟の面倒をよくみていたらしく、保育園のお迎えなどを積極的にやってくれています。私との仲は普通です。たまに夜にマッサージをしてくれたりしてラブラブしています」

相変わらず表情をあまり変えずに話す真矢さん。よく聞けば十分に幸せな生活を送っているのに、それを認めてうれしそうにするという発想がないのかもしれない。多くの人からかわいがられるタイプではないけれど、不器用で憎めない人だなと筆者は思う。

両親と妹とはとっくに縁を切ったという真矢さん。それでも真矢さんは自力で人生を切り開き、自分の家族を作った。夜、マッサージしてくれる旦那さんなんて最高じゃないか。真矢さんの新しい家庭が温かいものであり続けることを願いたい。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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