原宿でハジける「米国発ポップコーン戦争」 ギャレット、ククルザに続きドックが上陸

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あえて激戦区に出店したドックの戦略は吉と出るか

ドックポップコーンはなぜ、ポップコーンの激戦区で賃料も高い原宿に1号店を構えたのか。古原社長は「大成功を収めているギャレットさんとククルザさんをベンチマークにした」と語る。

野菜宅配サービスの「らでぃっしゅぼーや」で専務を務めていた古原社長は、同社を退いた後、食の新業態を求め、2013年12月末に創業者のロブ夫妻を口説くために渡米。日本でのFC契約を締結してからオープンまでの間は、「何度もギャレットさんに並んで、お店のオーダーの仕方やメニューシートなども勉強した」と明かす。

急成長する自然派ブランド

ドックポップコーンは、「子供に食べさせても大丈夫」をコンセプトに、2003年に誕生した自然派ブランド。グルタミン酸フリーで、バターの使用量が少なく、ライトなフレーバーが特徴だ。ギャレット、ククルザと比べると歴史は浅いが、本国では健康意識の高いセレブや、ロハスな若者世代に支持され、米国を中心に3カ国88店まで急拡大を続けている。

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脂っこくないのがドックの特徴

「日本でも食に対する健康志向は強く、ライトな味のドックポップコーンは支持されるはず。原宿の休日人口を考えるとまだまだいける」と、古原社長は味の違いを強調する。

プレゼント用途での複数購入などを見込み、初年度は「少し固めに見て2億円の売り上げを計画」(古原社長)。原宿を皮切りに、今後も有力商業施設などに2店舗の出店を予定している。

ブームの火付け役であるギャレットポップコーンショップスの広報担当者も、「原宿に競合が現れることで、日本のポップコーン市場がますます盛り上がれば」と挑戦者の登場を歓迎している。

夏には、米国シアトル発の「ポップ!グルメポップコーン」も同じく原宿に出店を控えている。原宿で巻き起こる米国発の“ちょっと贅沢な”ポップコーン戦争は、ますます過熱していきそうだ。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年4月から再び『週刊東洋経済』編集部。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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