堀江貴文「日本の食文化とインフラが世界最強」 コロナ禍以降の成熟国家の成功モデルになる

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だから、アジアの金持ちたちが、こぞって日本の高級店に押し寄せるのは当然なのだ。僕が手がける都内の「WAGYUMAFIA」の店も、コロナパニックの前は、海外からの客で大盛況だった。

整ったインフラと治安の良さ、コスパのいいグルメと、観光都市の最強のカードがコンボで揃っている。アジアの他国を圧倒できる価値と言っていい。

魅力あふれるのは、東京だけではない。北京・ソウルなど海外へのアクセスが良く、アジアの新たなハブ都市になりつつある福岡、カジノ構想で海外からの莫大な投資を狙う大阪、このあと詳しく触れるが、人気急上昇中の北海道・ニセコなど、東京以外の地方都市も、新しい発展を遂げつつある。

リモートワークの浸透で、地方の重要性とパワーが、さらに増している。東京に一極集中していた価値は、テクノロジーの力で急速に、地方へ分散しているのだ。

コロナ禍以降の成熟国家の成功モデルに

確かに日本は、バブル崩壊以降「失われた時代」を強いられたかもしれない。だが、国全体の本質的な価値は決して失われておらず、むしろグローバリズムの潮流のなかで、増しているのではないか。

コロナパニックでは、しばらく混乱が続く。不安が去るまでには、何年もかかるだろう。けれど新型コロナウイルスによって、多くの価値が奪われたわけではない。

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ウイルス禍で世界は「閉じた」。しかし、日本は歴史的には鎖国などの「閉じた」政治の先駆者の国とも言える。ガラパゴス的に発展してきた島国の文化は、コロナ時代への順応に対し、先んじた強みとなるはずだ。

閉じてきた利点を生かすという発想が、もしかしたら日本オリジナルの発展モデルかもしれない。規制を厳しくするということではなく、むしろ逆に行政レベルで規制緩和を断行するといい。

あえて攻めに転じて、「開く」ことにより、活路は開けるのではないか。コロナ禍以降の、成熟国家の成功モデルとして、日本が世界の手本になる可能性は十分に残っている。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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