香港に代わる金融ハブに東京が10年内になる根拠 2030年までに移る可能性、米中覇権戦争で漁夫の利
読者の中には、東京・日本橋の上を通る首都高に圧迫感を覚えた方が少なからずいることだろう。隣接する野村証券の旧本社ビルにしばらく通っていた私も、あの景観を見るたびにどうにかならないものかと思っていた。
そうした思いが叶うことになった。日本橋地区では過去最大となる再開発が始まっている。日本橋の上を通る高速道路は地下化され、野村証券の旧本社ビルなどを含む約1.9ヘクタールのエリアに、高さ300メートル近い超高層ビルなどが建設される予定だ。
野村グループのビルや日本橋西川ビルなど大小27のビルが取り壊され、再開発ビルの完成は2025年度を予定しており、首都高の地下トンネルは2035年に開通し、2040年までに高架橋が撤去されて日本橋に青空が戻ることになる。
不動産3社のチャートが明らかに違う動き
この再開発に合わせるように、日本橋兜町エリアの不動産を所有している平和不動産の四季報のチャートが、2016年以降、三菱地所や三井不動産と明らかに違う動きを見せていた(外部配信先では図表やグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
兜町と言えばもちろん東京証券取引所の所在地である。これは何かの変化を市場が織り込んでいると直感したのは、当塾(複眼経済塾)の渡部清二塾長だった。
そして導き出された答えは、東京が国際金融センターになるのではないかということだった。渡部塾長は2029年に同センターが始動すると見ており、私も場所は定かではないものの、かねがね2030年までに香港の国際金融センターが日本に移ってくると見ていた。