少しの追加料金で「帰りは新幹線」にできる区間 「乗継割引」を駆使して数百円で帰路をワープ

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長岡―新潟間

この区間の例は観光に限らず、出張や通勤に使えるのではないだろうか。

同区間は、特急「しらゆき」で往復すると特急料金2400円、新幹線だと特急料金3740円だ。これを往路は「しらゆき」、復路は新幹線にすると在来線特急料金600円(片道分1200円の半額)+新幹線特急料金1870円で合計2470円となり、なんと「しらゆき」往復の場合にわずか70円追加するだけで帰りは新幹線を利用できる。新幹線往復と比べれば1270円も安い。

さらに新幹線特急券を燕三条で分割して購入すると在来線特急料金600円+新幹線特急料金880円(新潟―燕三条間)+880円(燕三条―長岡間)で合計2360円となり、「しらゆき」往復よりもむしろ40円安くなってしまう。

ちょっと高度な応用編

直江津―新潟間

これは応用編だ。直江津―新潟間の場合、往路または復路のみ長岡―新潟間を新幹線利用とし、さらに新幹線特急券を燕三条で区間分割して購入すると、往路・復路ともに特急「しらゆき」の料金を乗継割引で半額にできる。

差額追加を前提とした今回の記事の趣旨からは外れるものの、こうすると在来線特急の往復料金3720円よりも安くなるだけでなく、途中乗り換えが発生するものの大幅な時間短縮が可能だ。

【復路に新幹線を利用する場合】
1: 直江津→新潟:特急「しらゆき」利用で特急料金1860円
 (*2と組み合わせて乗継割引で930円に)
2:新潟→燕三条:新幹線特急料金880円
3:燕三条→長岡:新幹線特急料金880円
4:長岡→直江津:特急「しらゆき」利用で特急料金1200円
 (*3と組み合わせて乗継割引で600円に)

こうすると特急料金の合計は3290円となり、なんと在来線特急だけで往復するより430円安くなるうえ、所要時間も最大26分短縮できる(しらゆき9号とMaxとき303号を乗り継いだ場合)。また、往復とも新幹線を利用して在来線特急と乗り継いだ場合(在来線特急料金600円+新幹線特急料金1870円の往復分=4940円)と比べても1650円安くなる。

直江津―新潟間の乗継割引活用方法のイメージ(筆者作図を基に編集部作成)

今回はただケチるのではなく、ちょっと料金を追加することでそれ以上のメリットを見出せる方法を考えてみた。300~400円程度の追加で片道だけでも所要時間を短縮できるなら費用対効果は大きいのではないかと思うが、いかがだろうか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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