もうすぐ冬。今年はコロナ禍で状況が異なるが、鉄道旅行が好きな人たちは冬の「青春18きっぷ」の発売を心待ちにし、どこへ行こうか、どんな列車に乗ろうかと考えるはずの時期だ。
そんな人たちに愛用されてきた列車の1つが、東京―大垣間を結ぶ夜行快速の「ムーンライトながら」。特急型車両に「青春18きっぷ」と指定席券だけで乗れるという気軽さに加え、いまでは珍しい座席の夜行列車ということもあって人気が高い。かつては定期列車だったが、2009年以降は18きっぷシーズンなどの臨時列車として運行している。
夏に続き冬も運転なし
しかし、この夏は「ムーンライトながら」が運行されなかった。理由は、新型コロナウイルスなどの情勢によるというものだ。
そして、今冬の運転も見送りとなった。JR東日本は10月16日に冬の臨時列車について発表したが、その中に「ムーンライトながら」の名はなかった。同社に理由を聞いてみると、「新型コロナウイルス感染拡大以降、鉄道による中長距離移動が減少していることに加え、特に深夜・早朝の長距離利用に対するご利用動向の見通しが立たないことから、今冬の運転は見送ることといたしました」との回答があった。
コロナ禍が収束する気配が見えない中、夏・冬と「ムーンライトながら」の運転がない状況が続くことになった。
今夏は新幹線の帰省ラッシュさえ起こらず、大規模な人の移動がほぼなくなっている。また、18きっぷそのものの売れ行きも低下していると考えられる。この春は、金券ショップで一部使用済みの券が1日当たりの価格を下回る額で販売され、投げ売り状態だった。
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