少しの追加料金で「帰りは新幹線」にできる区間 「乗継割引」を駆使して数百円で帰路をワープ

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横浜線沿線―熱海間

応用編として、横浜線沿線から熱海へ行く場合でも使えそうだ。同線沿線から横浜に出て特急「踊り子」で熱海まで往復すると特急料金は1900円。一方、新横浜から新幹線で往復すると特急料金は3520円だ。

これを往路は「踊り子」、復路は新幹線にすると乗継割引適用で特急料金は計2230円。こちらも特急往復の料金+330円で帰路を新幹線利用にできる。横浜線利用者なら多くの人は新横浜駅着のほうが帰りも楽ではないだろうか。

なお、ここで残念なお知らせがある。今月、JR東日本は東海道線の新特急料金体系制定に伴い、東海道線特急の乗継割引を来春のダイヤ改正で廃止すると発表した。今回紹介した方法は来春で封じられることとなるため、これらの方法を使うのはこの冬がラストチャンスである。

関西でもこの手は使える

姫路―大阪間

通勤特急「らくラクはりま」の運転など、着席通勤に力を入れているJR神戸線。在来線特急で姫路から大阪まで往復すると特急料金は1980円だ。新幹線を使うと、往復の特急料金は3520円になる。

だが、往路を新幹線、復路を在来線特急にして乗継割引を適用すると、特急料金は新幹線1760円+在来線490円で合計2250円だ。これなら在来線特急での往復料金+270円で行きを新幹線利用にできる。わずかな追加額で朝は着席通勤、しかもスピーディーだなんて最高ではないか。帰りは特急でのんびり帰宅できる。

乗継割引は在来線特急から新幹線へは翌日乗り継ぎでもOKだが、新幹線から在来線特急へは当日中に乗り継がなくてはならない制度のため、旅行に使うなら前者のパターンがお得だ。だが、通勤で使うなら日帰りが前提なので、往路が新幹線でも問題ないだろう。

なお、特急「らくラクはりま」は7月6日に自由席を廃止したため、この区間で自由席を利用したい場合は特急「スーパーはくと」「はまかぜ」に乗車することになる。また、定期券を併用する場合は、磁気定期券での利用が条件である。

姫路―京都間

次は、姫路から大阪を通り越して京都へお出かけというパターンだ。特急「スーパーはくと」「はまかぜ」なら乗り換えなしで約1時間20分、往復の特急料金は2840円。新幹線なら最速で40分ちょっとだが、往復だと特急料金は5060円にもなる。

特別料金不要で速く快適な「新快速」が走る区間で、往復で5000円超だなんてとてもとても……。だが帰りだけ新幹線なら話は別だ。往路は乗継割引適用で在来線特急料金710円、復路は新幹線特急料金2530円、合計3240円。特急往復の料金+400円で帰りは新幹線を利用でき、新幹線で往復するより1820円も安くあがる。

これでも新快速の有料座席サービス「Aシート」(着席料金500円)と比べるとかなり割高感は残るが、タクシー利用に抵抗がないくらいの感覚の人ならお得に思えるのではないだろうか。

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