東京駅「小売り激戦区」、JR東海勝ち残りの秘密 新幹線の真下という細長い用地で独自の存在感
JR東京駅がJR東日本とJR東海の駅であることは誰もが知っているだろう。では、東京駅の構内や地下に広がる商業施設をJR東日本とJR東海のどちらが運営しているかご存じだろうか。
基本的には、線路がある高架を所有する会社がその下の用地の持ち主となる。したがって在来線および東北・上越・北陸新幹線の真下がJR東日本の用地であり、東海道新幹線16~19番線ホームの真下がJR東海の用地となる(14~15番線ホームはJR東日本の用地)。駅構内の床をよく見ると、JR東日本とJR東海の境界線付近で床の柄が微妙に異なっているのがわかるはずだ。
細長い敷地で「攻め」の展開
丸の内口側から八重洲口に広がるJR東日本の用地では同社グループ会社の鉄道会館が商業施設の運営を行っている。「キッチンストリート」「黒塀横町」などさまざまな飲食・商業店街を抱え、今年8月に東京駅の改札内にオープンした「グランスタ東京」も大きな話題となった。
広いスペースを持つJR東日本とは対照的に、JR東海の用地で展開される商業施設「東京駅一番街」は、八重洲口側の新幹線の真下という細長い場所ながら、テレビ局の公式ショップや人気キャラクターのショップがずらりと並ぶ「東京キャラクターストリート」、朝から晩まで行列の絶えることがない「東京ラーメンストリート」など、エッジの効いた店舗展開で攻めている。
東京駅一番街の運営を行うのはJR東海のグループ会社、東京ステーション開発。同社が東京駅一番街をスタートさせた2005年から2018年までの13年間でテナント売上高は100億円から256億円へと2.5倍に増えた。
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