バイデン新政権で台湾が受ける政治経済的影響

台湾の国際的経済連携協定への加入が進むか

(Oleksii Liskonih/iStock)

混迷を極めたアメリカ大統領選挙は、前副大統領で民主党のジョー・バイデン氏(77)が現職のドナルド・トランプ大統領(74)を破ることが確実となり、今後、アメリカ政権の性格は大きく変わることが確実視されている。

経済面では、バイデン氏の当確報道の前からすでに影響が出ていた。それは台湾にとって悪くない影響だ。たとえば台湾株式相場は5日続伸、台湾ドルの対米ドルレートは上昇し続け、一時、1米ドル=28.5台湾ドルという金融当局の防衛ラインを超えるほどの台湾ドル高となった。そして今後、バイデン氏が正式に大統領に就任した後、台湾には6つの政治的・経済的な影響が現れると考えられる。

台湾が国際的な経済連携協定へ加入する

まず、台湾の国際的な経済連携協定に加入する確率が高まることだ。バイデン政権は、過去十数年間で最悪レベルにこじれた米中関係の改善のため、トランプ政権ほど熱心に台湾を支持しないかもしれない。しかし民主党の重鎮であるバイデン氏は、トランプ大統領のようなアメリカ第一主義ではなく多国間主義だ。そのため、バイデン政権はトランプ政権でアメリカが離脱したCPTTP(環太平洋パートナーシップ協定)に復帰する可能性が高い。

そもそもアメリカがCPTPPの前身であるTPPに署名したのは、バイデン氏が副大統領在任時である。アメリカのCPTTP復帰が実現すれば、台湾には追い風となるだろう。なぜならアメリカの支持のもと、台湾がCPTTPに加盟できる可能性が高まるからだ。

その理由は民主党の多国間主義だけではなく、いまや台湾への支持がアメリカ世論の主流であり、かつ党派を超えた共通認識だからだ。そのためアメリカがCPTTPに復帰すれば、米台間でTIFA(台湾・アメリカ貿易および投資枠組協定)やBTA(2国・地域間貿易協定)締結に向けた経済的対話の機会が増えることが期待できるのだ。

また、台湾のハイテク企業がアメリカで受ける待遇に変化はないだろう。トランプ政権時代には、台湾のハイテク企業のアメリカ進出が続いた。誘致を受けフォックスコン(鴻海)がウィスコンシン州に、TSMC(台積電)がアリゾナ州フェニックスにそれぞれ新工場を建設している。

そんなアメリカの台湾ハイテク企業への待遇は、政権が交代しても変わることはないだろう。それは民主党も共和党も、半導体分野のハイテク企業をアメリカに誘致し国内投資を促すことを重視しているからだ。現にTSMCのピーター・クリーブランド副総裁は、「TSMCの目標はアメリカの国家経済安全の増強だ。TSMCはアメリカの半導体産業におけるリーダーの地位を揺るぎないものにし、同時にアリゾナ州フェニックスでハイテク分野の雇用を創出していく」と断言している。このクリーブランド副総裁の言葉から、 TSMCは政権交代による影響を受けないものと考えられる。

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