木村花さん母「闘わなきゃ歴史は変えられない」 木村響子「本当の花を知ってほしい」
――亡くなる1週間くらい前ですが、まさかそこまで追い詰められているとはそのときは思わなかったですよね。
木村:追い詰められているとは思ったんです。でも、これは本当に難しい問題で。例えば自分の身近な人、大事な人がすごくつらい立場にいるときに、もちろん声をかけるのも愛情だし、優しさなんですけど、逆の立場で考えてみると、自分が本当にしんどいときに、差し伸べられた手すら握り返す元気もないときもあるじゃないですか。
だから、どこまで強引に助けに行っていいのか、踏み込んでいいのか。未成年じゃないし、彼女は彼女なりのプライドを持って仕事をしている。そのプライドを踏みにじることもだめだし、私の中でもすごい葛藤はありましたね。深刻であればあるほど、どういうふうに、どんな言葉をかけたらいいのかっていうのは、正解がなくて。
――花さんが、自ら命を絶たれたことを知ったときはどんなお気持ちでしたか?
木村:本当にびっくりしましたね。すごい怖がりで、すごい痛がりで、そんなことをできる行動力がないんですよ。ジェットコースターも乗れないんです。そんな子がそこまで追い込まれた。本当に最後のほうは花としての自尊心とか人間性も奪われちゃっている状態。周りの声も届かない状態で、あの怖がりな子がそんなことをせざるをえないぐらい追い込まれたんだっていうのは、本当に……。
でも、本当に最後までよく頑張ったなって思います。“弱いから逃げた”とか、“そんな豆腐メンタルのくせにテレビ出るな”とか、そういうことを言う人がいるんですけど。
――ひどいですね。そんなこと言う人いるんですか。
木村:いっぱいいるんですけど……。そうじゃないんだよって、本当にメンタルが弱い人、強い人っていう分け方じゃなくて、どんな人間でも、そういうふうに追い込まれたときにそうなるよって、あなたもなるよっていうことを本当に知ってほしい。
誹謗中傷を裁けない、グレーゾーンの言葉の刃
――花さんに寄せられた誹謗中傷を響子さんも当時見られてたんですか?
木村:見てました。死ねとか消えろとか、お前がいなければみんなは幸せだとか、一日も早くテラハから消えろとか、ブスとかゴリラとか……。本当に罵詈雑言のオンパレードでしたね。未だに花のことに対して“自業自得で自分勝手に死んだ人間のせいで楽しみにしてたの見れなくなった”とかもありました。
――それは名誉毀損とかにならないんですか?
木村:グレーゾーンなんですよね。自分がこう思うっていう考え方になってしまうので、なかなか一発アウトっていうものではないんですよね。でも言われたほうからしたら、消えてくれっていうのと死んでくれっていうのと、同じぐらいダメージがあることなんですけど、死んでほしいとか消えてくれって言葉はなかなか名誉毀損にはならなかったりするんです。
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