木村花さん母「闘わなきゃ歴史は変えられない」 木村響子「本当の花を知ってほしい」
――今、お母様の響子さんに対する誹謗中傷もあるみたいですね。
木村:たくさんあります。“娘を見殺しにした”、“助けてあげなかったのはお前のせいだ”、“毒親だ”とか。“娘が死んで普通の人だったら悲しくて寝込んだりするのに、いそいそとよろこんでテレビに出てきた”というのもありました。
――そんなこと言うんですか? つらいに決まってるじゃないですか。娘さんのこと思って出てるのに。
木村:でもそういう人たちって、私が何をどうしても言うんですよ。だから私はもうそういう人たちに振り回されないって決めたんです。失ったものは本当に計り知れないんですけど、だからこそ私はこれ以上何一つ失わないぞっていう思いで……。
「花の先の世代に優しい世界を作る義務がある」
――なぜそこまでして、闘うことにしたんですか?
木村:闘わなきゃ歴史は変えられないんですよね。例えば女性差別がなんで今減ってきたかっていったら、最初に声を上げた人がいたからなんですよ。最初に声を上げた人がいて、そこに続く人が現れて、そうやって歴史を変えていく。
だから私が死ぬまでにこの状況は変わらないかもしれないけど、種をまくことはできると思うんです。やっぱり花の次の世代、子どもとか、その孫の世代に向けて、少しでも優しい世界を作る義務は、それぞれ一人ひとりにあると思うし。しかも私はもう本当に花を失って、これ以上怖いものもないし、できる限り種をまこうって決めて。
――響子さんは今後どういうことやろうと考えてらっしゃるんですか?
木村:今、NPOの設立を準備中なんですけど、幼稚園生だったら絵本の読み聞かせだとか、小学校・中学校・高校とかには、日本中回って、顔の見える距離で話したいなと思っています。他人事って思わないことがいちばん大事だと思うんですよね。お友達が誹謗中傷で悲しい思いをしたときにどういうふうに助けてあげたらいいかを、家や学校でも教えてあげて、みんなが当事者意識を持てば、悲しむ人を減らせると思っています。
――総務省のほうでも花さんの件を受けて、早期に検討っていうことが始まったと思うんですけども、そういう政治的な動きはどういうふうに捉えていますか?
木村:小さくて大きい1歩だなと思います。やっぱり法律が古いのと、SNSが急に生活に浸透してきたこともあり、そのズレっていうのはすごくあるので、そのズレの修正や法律のアップデートみたいなのは、早くやればやるほどいいと思うんですね。だからそのために私にできることがあるなら、どんどんやっていきたいです。
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