「株高・債券高・ドル安」が当面の基調となる必然 視界不良の中、決定的なエッセンスを見極める
ウォール街はブレイナードなら歓迎
片や、ウォーレン議員が反ウォール街の旗手という立ち位置にあることは周知の通りである。ブレイナード理事は為替相場に関連して日本にとっては警戒すべき人選になるが、ウォーレン議員は金融規制強化などをもたらす「金融市場全体にとって最悪の人選」という解釈が大勢である。こうした株安をもたらす人選になるとすれば、やはり円高を招来する材料になる。
人事は水物であり予想してもせんなき事である。トランプ政権の株価至上主義を批判してきた経緯から、バイデン次期大統領は民主党左派へ配慮せざるをえず、ウォーレン上院議員指名の可能性は低くないとも言われている。この場合、金融規制に限らず、経済政策全体が左傾化するリスクがあるため、財政赤字は膨張、「ドルの過剰感」は強まる話になる。その点からも円高リスクであろう。
一方、勝利演説で分断ではなく団結を強調した以上、あからさまに挑発的な人選も控えられるとの期待もある。ブレイナード理事は日本にとってはうれしくない人選でもウォール街に象徴される金融市場にとっては歓迎されるとの下馬評であり、財務次官出身(でかつ女性)という経験も勘案すればベストな人選にも思われる。いずれにせよ、円高を恐れる日本にとってはバイデン次期大統領誕生に並んで重要な政治材料と考えて差し支えないだろう。
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