トランプ氏「負けても4年後また出馬」の現実味 表舞台からあっさり消えるとは考えがたい
「トランプ大統領は今後も共和党支持者の英雄であり続ける。2024年の大統領選挙で共和党の候補となるのはトランプ大統領か、他の誰にも増してトランプ大統領を彷彿とさせる人物となるだろう」(ナンバーグ氏)
もちろん、共和党員の全員がこうした見方に染まっているわけではない。トランプ氏は間違いなく今後も表舞台で声を上げ続け、存在感を見せ続けるだろう。だが、トランプ氏の敗北が確定すれば共和党はためらうことなく前に進み、トランプ氏は異形の大統領として記憶されるようになるだけだ、といった声は共和党内にも存在する。
「2人目のトランプなんてありえない」と、カルロス・クルベロ元下院議員(フロリダ州選出)は言う。「まねしたって失敗する。トランプ氏は徐々に表舞台から消えていく。ただ、騒々しい(トランプ)時代がアメリカの歴史に残したこの傷跡が消えることは決してない」。
トランプの辞書に「妥協」の文字はない
しかし多くの人々にとっては、トランプ氏は今も金ぴかの野望と富の象徴だ。トランプ氏は14シーズンも続いた人気リアリティー番組のスターであり、この番組によって大統領選に出馬する前から国民的な有名人となっていた。全国的な知名度を確立したトランプ氏は、熱気ムンムンの集会で支持者との絆を深めていった。これを見ても、トランプ氏の存在が巨大な文化現象であることがわかる。
再選の可能性が次第に薄れていったここ数カ月、トランプ氏は側近たちに、ときに冗談めかして、ときに本気で、こう語るようになっていた。落選したら即座に2024年の大統領選出馬を宣言する――。
2016年の大統領選で落選の色が強まったときには、一族の間で「トランプTV」のようなメディアを新たに立ち上げる計画が話し合われた。一族をよく知る関係者によると、このアイデアはまだ生きているという。
「トランプ氏が近現代史上、最も人気の二極化した政治家の1人であることは間違いない」と、トランプ氏の世論調査担当幹部トニー・ファブリツィオ氏は話す。「支持者はトランプ氏を崇拝し、反対派はトランプ氏を蛇蝎のごとく嫌う。ドナルド・トランプに妥協点といったものはないのです」。
(執筆:Peter Baker記者、Maggie Haberman記者)
(C) 2020 The New York Times News Services
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