トランプ氏「負けても4年後また出馬」の現実味

表舞台からあっさり消えるとは考えがたい

(写真:REUTERS/Carlos Barria)

その可能性は日に日に高まっているように見えるが、トランプ大統領の再選失敗が確定すれば、現職大統領としては28年ぶりの落選となる。だが、これだけは言える。勝つにせよ、負けるにせよ、トランプ氏が静かに退場することはおそらくない。

得票数でバイデン前副大統領の後塵を拝することになったトランプ氏は、権力の座にしがみつくためか、あるいは敗北の言い訳とするためか、不正が行われたという根拠不明の主張を繰り返し、選挙の正当性をおとしめようとしている。トランプ氏再選の可能性はほぼついえた。しかしトランプ氏は、当確情報どおりに負けが確定したとしても表舞台から静かに消えるつもりはないことを明確にしている。

在任期間中で起こりうること

少なくとも、任期はまだ2カ月ほど残っており、その間に権力をふるって自らが敵とみなす相手に復讐することもできる。大統領選挙に負けたことに腹を立て、自らが望んだとおりの結果をもたらさなかった高官をクビにしたり、閑職に追いやったりするかもしれない。その対象にはFBI(連邦捜査局)のクリストファー・レイ長官や、新型コロナウイルス対策を担う政府の感染症専門家トップ、アンソニー・ファウチ博士などが含まれる。

そして、来年1月20日にホワイトハウスから退去させられることになったとしても、トランプ氏は予想外の影響力を保持し続ける可能性が高い。アメリカ全体にとって強力かつ破壊的なフォースであり続けることは、ほぼ間違いないということだ。

トランプ氏は今回の選挙で7000万を超える票を獲得した。2016年を大幅に上回る得票数であり、一般有権者の48%近くがトランプ氏を選んだ。スキャンダル、失政、弾劾、そして23万人を超す国民の命を奪ったコロナ禍にまみれた4年間であったにもかかわらず、いまだに半数近い有権者がトランプ氏を支持していることになる。

こうした強力な支持基盤をテコにすれば、トランプ氏はジミー・カーター氏やジョージ・ブッシュ(父)氏のように1期目で終わった大統領が決して手にすることのなかった影響力を行使できるようになる。

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