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ストレス自覚できない「子どものSOS」症状とは 学校に行こうとすると下痢をする、夜眠れない

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  • 山岡 昌之 医学博士、心療内科医、心療内科専門医、日本摂食障害治療研究所所長
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近年では、「小児心身症専門外来」や「思春期外来」を設けて、子どもの心身医療を専門に診療しているところがあります。

こうしたところで診ている主な子どもの心身症は、摂食障害、夜尿症、不登校や起立性調節障害(思春期前後の子どもに起きる全身倦怠などの不定愁訴。自律神経失調症のような症状が出る)などです。

また、発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害など)や、うつ病などを診ることもあります。重いうつ病や、重い発達障害の場合は、児童精神科で診ることになります。

小児心身症専門外来などでは、医師はまず患者である子ども本人の話を聞くことを最優先します。また、親へのカウンセリングなどが行われることもあります。

親は、「育て方が悪かったのでは」と自分を責めてしまう傾向がありますが、そうした気持ちがさらに子どもへのストレスになることもあるので、悪循環に陥らないためにも早めに専門医の診察が必要です。

幼少期のストレスは十数年後に現れることも

大人になって発症する心身症のなかには、子どものころに受けた心理的なストレスが原因になっているというケースもあります。その当時のストレスが原因として、思春期以降になってから心身症として現れるのです。

わたしたちの「記憶」は、地層のような構造になっていると考えられています。表面にあるものほど思い出しやすく、深く沈んでいるものはほとんど思い返さない記憶となっています。

健康な人の場合、記憶の表層にあるのは、主に楽しいことやうれしいことの思い出です。つらかったこと、苦しかったことに関する記憶は深層に沈んでいます。

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ところが、心に病を抱えている場合、これがまったく逆になります。つらかった記憶や苦しかった記憶が表層にあり、すぐに思い出してしまうのです。楽しいこと、うれしいことの記憶は深層に沈んでしまい、なかなか思い出せません。

心の病では、こうした記憶の逆転現象が起こっているケースが少なくありません。また症状が重く治療が難しいものほど、その原因には幼いころのストレスが関わっている場合もあります。子どものストレスはすぐに症状として現れるだけでなく、発育してから数年後に影響を及ぼすこともあるのです。

子どもに体調や心理面での変調が見られ、それがしばらく続くようであれば、早めに医療機関に相談しましょう。早めの受診による早期治療が早期解決につながります。

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