丸紅「肉とコーヒー」で稼ぐ食料部門の粘り強さ 寺川副社長「産地から消費者まですべて関わる」

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丸紅の食料本部長を務める寺川彰副社長は「グループ全体での生産機能の充実が、大きなテーマの1つになってくる」と語る(撮影:尾形文繁)
総合商社の丸紅は前2020年3月期において、新型コロナウイルスの影響などで約4000億円もの一過性損失を計上し、純利益は1974億円の赤字に転落した。今2021年3月期はコロナ影響が残るものの、通期で純利益1500億円を計上する見通しだ。
丸紅の事業の中で、着実に利益を出しているのが食料事業である。今期の純利益のうち約2割弱を食料事業が占める見通しとなっている。コロナ禍で足腰の強さをみせた食料事業をどう成長させていくのか。食料本部長を務める寺川彰副社長に話を聞いた。

コロナ禍で事業を牽引した食肉

――丸紅の食料事業は安定していますが、新型コロナの影響を受けなかったのでしょうか。

足元の業績は期初の想定よりも上振れている。好調なのは食肉関係だ。丸紅グループにはアメリカで牛肉処理加工を行うクリークストーン社がある。高級なアンガスビーフを加工販売している会社だ。アメリカではステーキハウス向けの販売は落ちたが、自宅で調理して食べる人が増えたことで需要は高まった。

一方で、供給はタイトだった。アメリカの食肉加工業者で多数のコロナ感染者が発生し、操業停止を余儀なくされた工場が出たからだ。クリークストーン社は集団感染が発生せず、安定操業を続けたことで売り上げを伸ばすことができた。アメリカの小売り大手・ウォルマート社への長期契約に基づく供給が、2020年から始まったことも追い風となった。

日本でも同様だ。丸紅グループには、国内で鶏肉製品生産・販売などを行う子会社のウェルファムフーズ社がある。同社は国内でも外食せずに調理を行う人が増えたことで好調だった。

――ベトナムではインスタントコーヒーの工場を新設します。

ベトナム工場は2022年から供給を開始する見通しだ。コーヒーは赤道付近の限られた地域でしか生産できない。ベトナムは世界のコーヒー2大産地の1つ。コーヒーに限らず、こうした産地をしっかり押さえることが重要だ。また、東南アジアや中国において西洋風の食べ物を好む人が増えていく中で、まだコーヒー需要が大きく伸びる余地がある。

丸紅の食料本部にとって、コーヒーは食肉に次ぐ強い分野だ(写真:丸紅)

丸紅の食料本部にとって、コーヒーは食肉に次ぐ強い分野といえる。日本のコーヒー生豆消費量のうち約3割は丸紅が取り扱っている。身近な例でいえば、コンビニでコーヒーマシンを使って入れるコーヒーだ。そういったもの向けの生豆を丸紅が輸入している。また、100%子会社のイグアス社がインスタントコーヒーの工場を持っており、ブラジルではかれこれ約50年も工場を運営している。

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大塚 隆史 東洋経済 記者

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おおつか たかふみ / Takafumi Otsuka

広島出身。エネルギー系業界紙で九州の食と酒を堪能後、2018年1月に東洋経済新報社入社。石油企業や商社、外食業界などを担当。現在は会社四季報オンライン編集部に所属。エネルギー、「ビジネスと人権」の取材は継続して行っている。好きなお酒は田中六五、鍋島。

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